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所在地 山梨県南巨摩郡身延町身延七面山参道
宗派 日蓮宗
寺格 総本山
創建 1281
開山 日蓮
機能 寺社
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「百寺巡礼 第五巻 関東・信州」 五木 寛之
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病気療養の為に生まれ故郷の常陸の国に戻る途中、立ち寄った武蔵野国の池上にて亡くなった日蓮聖人。それまで過ごし、法華経が仏教最上の教えであるという信念の基に築き上げ、晩年を過ごしたこの地にに、「どこで死のうとも墓は建ててくれ」という日蓮自身の遺言に沿って遺骨を祀ったという身延山。日蓮宗にとっては唯一の聖地である場所である。
有名な樹齢400年を超えるしだれ桜を見ながらアプローチから左に折れると、大らかに広がる空間が広がる。山麓に配置された幾つかの建物が揃って南に正面を向け、その前に市街地では考えられないような広い空間が水平に伸びていく。これを見ただけで今回の旅の意味があったというものだ。
本堂から日本三大門の一つに数えられる三門まで伸びる長い長い階段を見下ろし、その下に広がる寺町を眺める。その後ロープウェーを使って、山頂に位置する奥之院間であがると、周囲はすっかり霧に覆われ、いかにも日蓮が毎日登ってきてはお経を上げていたといわれる当時の風景が思わず浮かんできそうな、幻想的な雰囲気に呑み込まれる。
山麓部よりも数度低いと思われる温度を感じ、時代が流れても、この地を包む空間の質というものが今でも変化していないんだと理解し、このような豊かな空間構成をできるだけ身体に取り込むことが、日本人の建築家が世界で闘う大きな武器になるのは間違いないと確信する。
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