数年前からETB研究会というものに参加させていただいている。
地震学の権威である東京工業大学の和田先生と、風工学の権威である東京工芸大学の田村先生が中心になられ、日本設計、日建設計、鹿島建設、竹中工務店のという日本建築会のスーパープレイヤーから構造部門のトップの方々が集まり、世界のトレンドを受け今後日本であり得る超超高層ビルの在り方を考えるという研究会である。
かつてシカゴで開催されたCTBUHの総会で、トロントのアブソリュートタワーについてプレゼンを行いに行った時に、日本より和田先生も高層ビルにおける地震工学についてプレゼンを行われており、一緒にシカゴに視察に来られていたETB研究会の方に声をかけていただき、その後日本で研究会に参加させていただいているというものである。
そんな研究会も既に数年が経ち、学会でも発表できる論文などを纏めることができ、毎回とても緊張しながら、なかなか理解できないエンジニア的な打ち合わせの内容に必死についていっている。
そして、この春の東日本大震災。その影響もあってだと思われるが、和田先生が日本建築学会の会長に就任されることが決まり、同時にCTBUHの「Fazlur Khan Medal」を受賞されることも決まり、研究会でもお祝いの席を設けるということで、僭越ながら参加させていただいた。
夕方より東京ドームホテルにて行われたお祝い会では総勢19名のETB研究会メンバーが集い、お祝いムードも手伝って、ワイワイと和田先生を中心に会が進められる。皆さんのお祝いのスピーチに続き和田先生がスピーチをされたのだが、今回の東日本大震災を受け、地震学の専門家が建築学会の会長に就任するということで、社会に対しての責任感で身が引き締まるというようなことをおっしゃられていた。
日本の建築業界のど真ん中で、様々なことを決定していく立場にあられる皆さんに混ぜていただきながら、優しくいろいろと教えてくださる皆さんに影響を受けて、日本での建築業界のあり方を少しだけ垣間見ることができているこの研究会。そして今後の日本建築業界の舵取りをしていく立場に就任される和田先生のこのようなおめでたい席に自分も居させていただけることに感謝し、研究会に参加するきっかけとなったシカゴの夜を思い出す。
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