ル・コルビュジエ(Le Corbusier)
ショーダン邸とサラバイ邸。
同時期に同じ街で設計が進められた二つの住宅。
インドの強い日差しを始めて体験したコルビュジェ。
同じ街で、同じような特徴を持つ敷地に、二つの住宅を同時に設計する。
兄弟のような二つの住宅。
サラバイ邸は低層で10スパンのヴォールト屋根を持つモノル住宅とし、
南北に風が通り抜ける横の広がりとして。
ショーダン邸は異なるスパンのグリッドが入れ子になるような5層を持つキューブとして、
これまた同じ時期に同じ街のアーメダバードで設計を進めていた繊維業会館で試された、
強い日差しを遮るためのブリーズ・ソレイユがより複雑な形で現れる。
横の広がりの庇の下に広がる影の空間。
縦に延びる壁が作り出す影の空間。
その外部とのバッファー空間の先にはともにプールが設けられ、
水によって空気が冷やされ、柔らかな風を空間へと送り込む。
現在の機能の分断された住宅にあまりに慣れてしまった目には
平面をどれだけ見ても、どこが建築の外形線なのか。
どこがどのように使われて仕切られているのか。
それが全く分からない。
荒々しく直接的に外部の自然と共になりながら生活が成り立つこの地で、
生まれた兄弟のような住宅は、
今の時代でも強烈な魅力を持ち続けている。
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