Luis Barragan ルイス・バラガン
2016年の春
「Progressive Architecture Mexico City; Node Forum」というシンポジウムに参加するために、メキシコ・シティを訪れた。イベントの主催者が、シンポジウム初日の夜に、打ち上げの場所として連れて行ってくれたのが、知り合いが住んでいるというバラガン設計のこのプリエト・ロペス邸(Casa
Prieto Lopez)。
なんでも、バラガンが設計したこの住宅は長いこと長いこと誰も住んでない状態が続き、増改築がされたり、様々なところが痛んでいたりとしていたが、タコスのレストランで大成功をしたという今のオーナーが買い取り、時間をかけて元の設計に近い状態に修復して済んでいるという。
メキシコ・シティ郊外のひっそりとした高級住宅街。 塀をくぐると広くとられたエントランスパティオが出迎える。玄関とは反対側のガレージに連れていかれると、オーナーが趣味だという自転車が所狭しと飾られている。なんでも、彼が小さなころに乗ってきた自転車すべてがここにあるのだという。
なんでも、バラガンが設計したこの住宅は長いこと長いこと誰も住んでない状態が続き、増改築がされたり、様々なところが痛んでいたりとしていたが、タコスのレストランで大成功をしたという今のオーナーが買い取り、時間をかけて元の設計に近い状態に修復して済んでいるという。
メキシコ・シティ郊外のひっそりとした高級住宅街。 塀をくぐると広くとられたエントランスパティオが出迎える。玄関とは反対側のガレージに連れていかれると、オーナーが趣味だという自転車が所狭しと飾られている。なんでも、彼が小さなころに乗ってきた自転車すべてがここにあるのだという。
玄関をくぐると、エントランスホールには先ほどのパティオから光が入り、1mほどの段差を上がる小さな階段を登ると広い空間にリビングスペースとダイニングテーブルが広がっている。その窓から外を見ると、下のフロアの外に、この住宅の中心となる室外プールが妖しい色を放ちながら光っている。
この建物は火山活動でできた段差のある敷地に建っており、その段差を利用してエントランス側は一層となっているが、段差にそって階段を降りるとそこから庭に出ることができるようになっている。
先ほどのエントランスホールに戻り、下の階に下りると、そこにもリビングスペースが広がっており、大きなガラスの引き戸によって一体化した外部のテラスへと出ると、多くの人がプールの周りで思い思いにドリンクを楽しんでいる。
もう一度先ほどのエントランスレベルに戻り、今度はダイニング側から外に出ると、芝生の庭が広がっており、その先には離れの様な建物が庭の角に建てられており、ここで映画を観たりする空間となっているようで、一つの住宅のあちこちで、様々な人が
思い思いに時間を過ごしている。
恐らく今まで訪れた住宅の中で最も広い住宅であろうこのプリエト・ロペス邸。外部からは決して分からない控えめな姿であるが、エントランスパティオから大きな面に開けられた小さな扉のエントランスを抜けるホールにおいて、この住宅の立体的構成を示唆する手法など、多様な空間が一つの建築の中に散りばめられているのは、やはりバラガンの設計ならではであろう。
未来的な雰囲気を放つ水面と、荒々しい大地の力を伝える火山岩。そしてピンク色の壁面。そして美術館ではなく、しっかりと家として生活がそこにあるという心地よさ。住宅を考える中で豊かさを教えてくれる傑作であろう。
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