2017年8月12日土曜日

「ルーム」 レニー・アブラハムソン 2015 ★★


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スタッフ
監督: レニー・エイブラハムソン(Lenny Abrahamson)
原題: Room
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スタッフ
ジョイ・ニューサム(ママ) : ブリー・ラーソン(Brie Larson)
ジャック : ジェイコブ・トレンブレイ
ナンシー・ニューサム、ジャックの実の祖母 : ジョアン・アレン(Joan Allen)
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オーストリアで実際に起こった父と娘の間の監禁事件を元にしてかかれた小説の実写化。日本でも新潟で同様な事件が起こったことは記憶に新しいが、関わるすべての人を傷つけ、観るものにどうしようもない気持ちにさせる、何とも痛ましい事件である。

ある男の暴力によって天窓一つしかない外界と隔離された部屋の監禁され続ける一人の女性。その監禁生活の中で、妊娠をし産み落とした息子は、その部屋が世界のすべてとして成長していく。

部屋の中で行われる母と息子のつつましい生活。そこに時折訪れる男。シングルマザーと荒っぽいボーイフレンドなのかと思ってしまう前半部分。そこにひたひたと忍び寄るようにして感じられる違和感。それが監禁された部屋であること。そして息子が監禁生活の中で生まれ、世界を知らずに育つという事実が徐々に顔を出してくる。

監禁から脱出する部分でピークに達するのかと思えば、本質はその後。長期の監禁生活から生きて戻ってきた娘と新たに現れたその息子に対して、初めは喜びで迎える家族が徐々にどう接していいのかという戸惑いを感じだす。メディアや社会は、特殊な時間を過ごしてきた親子に対し、時に容赦のない言葉を投げかける。

そして親子自身もまた、平常な環境に戻ってきたにも関わらず、以上であったはずのあの「部屋」で過ごした時間が、如何に自分たちにとって日常となっていたのかを、徐々に認識し、そしてそれを乗り越えようと葛藤し、ぶつかりながらも二人で手をとりながら前えと向かっていく。

やるせないほどつらい映画であるからこそ、多くの人が観る事で二度とこのような事件が起こらないことを期待するだけである。






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