ある日の新聞で、この映画に関する記事を目にした。
実話を元にした話であり、インドの駅で家族からはぐれ迷い子となり、その後家族を見つけることができず、オーストラリア人夫婦の元へと養子縁組で移住したインド人の青年が、成長後自らの本当の家族への想いに駆られ、グーグルアースと自らの記憶を元に細い糸を手繰るようにして自らの家と家族を見つけるという内容。
今年のアカデミー賞の作品賞の候補にも上がっており、様々なところで高評価を得ているというのは聞いていたので、ぜひとも見ておくべき一作だろうと手にとることにした。
主演のインド人の青年を演じるのは、デーヴ・パテール。「スラムドッグ・ミリオネア」でかつてアカデミー賞作品賞を受賞したあの少年がこれほどの青年に成長した姿をみるのは、それはそれである種の感慨を感じることになる。
ニコール・キッドマン演じるオーストラリアのタスマニアに住む豊かな夫婦は、わざわざインドから養子を引き取るのは、自分たちに子供ができなかったからではなく、この世界にはすでに多くの人間がいて、それを増やすことよりも、すでにこの世にいて、恵まれない子供たちを引き取り育てることの方が、この世界に何か良いことをできるのではという信念によってだと話を主人公に語ることが、結局はインドに赴き家族に再会するのを後押しするあたりも、誰がどう見てもポリティカル・コレクトネス満載の一作であり、その意味で様々なところで高評価を得ているのもまたしかり、
冒頭のドローンによって可能になった新しい映像美が、スケールをまったく無視してズームインしていくグーグルアースの映像とリンクさせる手法など、映像の観点からみても素晴らしい点はあるのだろうが、記事で読んだ物語のそれ以上でも以下でもないという感想を持って見終えた一作。
ガース・デイビス(Garth Davis)
デーヴ・パテール (Dev Patel)
ルーニー・マーラ(Rooney Mara)
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