2003年師走、深夜3時。
おそらく気温は-10度を切るぐらい。
同じく疲れた顔の横の同僚に聞いてみた。
「こういう生活でハッピーか?」と。
そうして彼はいつものように答える。
「イッツ・オーケー」と。
手がけてるマスタープランの仕事でロンドンから北京へと派遣されて、約一ヶ月。独特の喧噪とした空気と、コミュニケーションの困難さに、久々に自分が異邦人だと感じられる国に来たんだと実感する。
2001年、水無月。好きな建築家に雇ってもらいにオランダ行きを決め、ロンドンへと東京を旅立った。熱意さえ伝われば、なんとか雇ってもらえるだろうと本気で思っていた。
結局は、取りあえずのはずのイギリスに留まることとなったのだが、その時の建築家が今回の仕事を闘う相手とは、縁なのだなと感じずにいられない。
しかし、正直今考えるとそら恐ろしい。と同時に頼もしい。
根拠が無い自信でも、それでも良いのだと。
自分を信じ続け、謙虚に、そして大胆に足を踏み出すこと。
そこにはすでに違う環境が開けていて、その環境が今度は背中を押してくれる。
大胆に踏み出した先が、崖だったとしてもそれは自分で選んだこと。
笑って落ちるくらいの覚悟が無いとやってられない。
自分が選んだのは職業ではなく、ライフスタイルそのものなのだと。
そんなライフスタイルにいつでも言ってやる。
「イッツ・オーケー」と。
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