2013年7月12日金曜日

ワクワク感



北京大学で博士号課程を教えているパートナーの奥さんが今年はサバティカルなので、その期間を利用してアメリカのスタンフォード大学で少し教えるので、パートナーも一緒に行って子供をサマースクールに通わせるためのを兼ねて3週間ほど夏休みとしてアメリカに行くという。

これは日本で住んでいたら一生見に着かないであろう考え方と習慣だと思わされる。

そんなことを思って妻に、「いつ、サバティカル来るの?」と聞いたら、しかめっ面をし「今がサバティカル中」と返ってきた。

なるほど、だからストレス・フリーで楽しそうに毎日を過ごしているのかと納得。

という訳で、他のパートナー達と居なくなる時期が被らないようにと、少々早めに我々も日本で夏休みでのんびりすることに決める。

いつもは仕事が絡んだりするのだが、今回は家族だけということにし、実家のある愛知に直接戻り、東京にも行かず、友人にも伝えないと心に決める。

そうなると2週間はかなり長い。どうやって過ごすかに想いを巡らす。


後期高齢者のカテゴリーに足を突っ込んだ両親の気分転換に、どこか近場に温泉宿でも一緒にいこうと実家を中心に半径100km圏内で、100名湯レベルの温泉地があり、魂が震えるような親密な神域が残るよき神社があり、実務の参考になる程度の現代建築があり、「教養」とか「文化」などの言葉では釣られなくなってきた両親と妻の興味を引くくらいの一般性を兼ね備えた観光地がある地域となると、それはそれはかなり限られてくる。中々絞りきれずにいるので、次に頭を向ける。

東京の実家に戻る妻の不在時に、フットワークの悪い両親と妻から解放され、好きなだけ山奥まで神域を求めていける時間を最大活用するために、4,5日の予定でレンタカーを借りることで、半径もぐっと200km圏まで拡大し、立ち寄り地を最大にできるのは一体どのコースかとより複雑なシュミレーションを開始する。自作のマップを前にして、「ここあたりに行ってからこっちにいって・・・」を繰り返す。

妻が東京から戻ってきた後に、二人でどこかゆっくりと・・・というので、ならばと上記の二つでカバーされてないエリアから候補地を探し、二泊三日で何が出来るか頭を抱える。

典型的な日本人らしく、新婚旅行以外これほど纏まって休みを取るということをしてこなかったので、行きたいところが止め処なく溢れ出てくる。

「この寺までいくのなら、あの神社も行けるか・・・」
「せっかくここまで足を伸ばすなら、ここを見ずに行くのは一生後悔するだろうな」
「こっちを優先させると、ここまで行くのは厳しいか・・ならこのあたりの滞在を一日伸ばして・・・」
「あー、この美術館はこの日は休館日か・・・」

なんてやってると、あっという間に過ぎていく時間。
止まらないワクワク感。

ニヤニヤしながらマップ上でシュミレーションを重ねている姿を見た妻が、「気持ち悪いよ」と言ってくるが、人生の時計も半分を回った後に一体どんな事にワクワクすることがあるというのか、と心の中でこっそり思う。

人格形成もとっくの前に終了している壮年期。ワクワクしようと思ってもそう簡単にはできるものじゃない。そのワクワクすることが、その人の人生の過ごし方を物語っているんだと改めて気づかされる。

そんなことを思いながら妻に、「少々厳しい行程が予想されるが、足手まといにならないように、しっかりと覚悟しておいて」と伝えることにし、再度ワクワク感と共にマップの上をあっちこっちに移動することにする。

0 件のコメント: