2013年7月18日木曜日

園城寺(おんじょうじ) 7世紀 ★★


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所在地  滋賀県大津市園城寺町
山号 長等山(ながらさん)
宗派  天台寺門宗
寺格 総本山
創建   7世紀
開基 大友与多王
別称 三井寺(みいでら)
機能   寺社
建築文化財 金堂,勧学院客殿,光浄院客殿(国宝)
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百寺
日本の建築空間掲載  
光浄院客殿(こうじょういんきゃくでん) 1601
観学院客殿(かんがくいんきゃくでん) 1600
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こういう巡礼中はできるだけ食事の時間を短縮するのがいいのだが、それでも食べないというのもあれだし、車内でというのも味気ない。

本当は地元のおいしいものを食べさせてくれる食堂などで800円くらいの定食というのが一番いいのだが、調べる時間と食べる時間のロスを考えると、それは日の暮れた夜にとっておく。

行く先で駐車場代に参拝料そしてお賽銭代と 寺社貧乏になっていくので昼代はできるだけ節約したいのもまた事実。なのでコンビニで買い込んだおにぎりとパックの牛乳を手にし、せめて湖岸緑地から琵琶湖の穏やかな湖面とシーザー・ペリ設計の琵琶湖ホテルでも眺めながら、しばし束の間の食事タイムを楽しむかとナビに電話番号を入れてみる。

湖岸緑地 日本の都市公園100選

琵琶湖ホテル Ceser Pelli & Associates 1998

暫く走ってみるが、どうもおかしなところに連れて行かれている気がする。

グーグルマップでこのような公園施設を検索すると、場所はその場所に表示されるが、電話番号は管理する市役所の番号ということが多く、それをナビに入れてしまうと、その市役所の場所へと連れていかれてしまうことなる。

それに気がつくのは「どうも遠回りしていると思うのだが・・・」と踏み切りを渡り、前方にランチ後一つ目の目的地である三井寺を視界の捉えた段階。

三井寺の駐車場に車を入れて確認すると、やはり市役所の位置に向かっており、相当時間をロスする形になるルートに。時計を眺めてそれは無理だと判断し、しょうがないのでこの駐車場で昼飯とする。

そんなことを考えていると管理のおじさんが駐車場代金の徴収にやってくる。駐車場500円。「神社は駐車場代無しが多いのに、何故寺はそんなにがめついんだ・・・。こんなに多くの参拝客が来るんだから、それらの人から取る参拝料で賄えるだろう・・・」と思いつつ、ぐっと我慢して小銭を出す。

来たことが無い人間にとっては、近江といえば比叡山の他にも三井寺と石山寺といった有名な寺があるというくらいの認識で、琵琶湖のほとりに三井寺と園城寺という二つの有名な寺が並列しているとばかり思い、二つとも行かには時間がかかるだろうと思っていたが、三井寺というのは円園城寺の別称ということを聞いてややホッとする。

この園城寺。かつて日本四箇大寺(しかたいじ)の一つに数えら東大寺・延暦寺・興福寺と同等の位置を占めていた兎にも角にも巨大なメガ寺。最澄によって持ち込まれた天台宗。この教えが第3代天台座主円仁と第5代天台座主円珍の2人の対立により、比叡山延暦寺で2つに分かれ、その後比叡山は円仁派が占め、円珍派は山を去り三井寺へ入り、これ以来、山へ残った円仁派を山門派、三井寺へ入った円珍派を寺門派と呼ぶという。

そんな訳で同じ近江に位置する比叡山と円城寺は因縁のライバルとして10世紀頃から対立抗争が激化し、比叡山の宗徒によって三井寺が焼き討ちされることが史上度々あったという。ちなみに明治維新後は天台宗寺門派を名乗っていたが、1946年以降は天台寺門宗総本山となっている。

天台寺門宗(てんだいじもんしゅう)

ちなみに通称である「三井寺(みいでら)」は、この寺に涌く霊泉が天智・天武・持統の3代の天皇の産湯として使われたことから「御井」(みい)の寺と言われていたものが転じて三井寺となったという。

三井寺は平安時代には朝廷や貴族の尊崇を集め、中でも藤原道長、白河上皇らが深く帰依したことが知られている。延暦寺を崇拝するものがいれば、その対立項として三井寺が上がり、政治的利用の意味も含めて歴史の中に何度も登場したのだろうと想像する。

まぁ建築的にも歴史的にも風景的にも見所満載のお寺。それだけ敷地も広大で、上がって下がっての繰り返し。帽子も首にかけたタオルもびしょびしょになりながら、「良い食後の運動だ」と自分を言い聞かせながら、小走りで境内を走り回る。

勧学院客殿 1600  

光浄院客殿 1601 


































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