2013年7月22日月曜日

大縣神社(おおあがたじんじゃ)紀元前3年 ★★



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所在地 愛知県犬山市宮山
主祭神 大縣大神(おおあがたのおおかみ)
社格  式内社、旧国幣中社、別表神社,尾張二宮
創建  紀元前3年
機能  寺社
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流石に一日の中に立ち寄り地を詰め込みすぎて、緊張感を持って走ってきた峠道の疲労は百名湯でも簡単には取り除くことが出来ないらしく、残り二つとなった目的地に心の中では「あと少し。もうすぐ家に帰れるから」と家路に着く喜びを感じながら車を走らせる。

「もう一つでも」と思っている間は問題ないが、「家に帰れる」と思い始めてからも、無理をすると遠からず事故でも起こすはずなので、ここらが潮時だと思う頃に到着する大縣神社(おおあがたじんじゃ)。

境内に向かう細い道では、なんでこんな田舎に?と思うくらいの多数のトラックとすれ違う。境内近くになると道端には「産廃反対!」と書かれた看板が多く見えてくる。「なんなんだ?」と不思議に思いながら鳥居横の駐車場へ車を滑り込ませる。

この大縣大神は尾張国開拓の祖神であるとされ、尾張の二宮として長い時間この場に祭られてきた神社である。行きかうトラックによって巻き起こされる砂埃から口を隠しくぐる鳥居。なんだか騒々しい雰囲気に、「神様も何処かに行ってしまってないのかな?」と訝しみながら、緩やかな坂になっている境内を山に向かって上がっていく。

鳥居をくぐると右手に池が見え、池の中に段差がある珍しいタイプの池で、手前の浅いところに魚がくるとその姿が良く見えるが、奥の深いところにいってしまうと暗い水でその姿はまったく見えなくなってしまう。

暫く進むと左手に見えてくるのが拝殿。手を合わせて更に先の階段を登ると正面に待ち受けるのが摂社である朱色の姫之宮。ぐるりと後ろに回ると池が祭られており、横の説明を読むと「むすひ池」と呼ばれ、有名な池らしい。

なんでも後ろに聳える神体山である本宮山から湧き出た水が溜まりできた池であるこの「むすひ池」。「むすひ」には、「産霊(むすひ)」と「結び」の二義があり、産霊は自然に物事が発生する意味で、全てのものに内在する生命力をいい、もう一方の結びは、モノとモノとをくくりつけ、関係づける力の事であり、人と人とを結びつけるばかりではなく、天地、万物を生成・発展させる御霊のはたらきがむすひの力だという。

そういう訳で、古来より安産・子授など女性の守護神として崇敬され、願い事の仕方は授与所にて祈願用紙を購入し、その用紙に願を書き、もとのように閉じ、用紙の中央にお賽銭をのせて水面に浮かべ願いをするという。紙が早く沈めば願の成就が早く、遅く沈むと縁が遠いと云われ、また近くで沈むと身近に、遠くで沈むと遠方に縁が有ると云われているらしい。

その姫之宮の後ろには更に山奥に入っていく道が。この先には如何にも本宮があるという雰囲気を醸し出しているその道。一体どれだけ時間がかかるのか分からない中で先を進む気力は既に無く、左手の他の摂社を参拝し駐車場へと戻る。

後に調べると、姫之宮の後方の本宮山(293m)は尾張国最高峰の霊山で大縣神社のかつての鎮座地という。山頂には本宮社が鎮座し「大縣大神の荒魂」を祀っており、姫之宮からおよそ45分で到着できるらしい。

駐車場まで引き返すと先ほどよりも数が増えたように思えるトラック達。道幅が狭いだけに速度を落とさないトラックはまさに危険。絶えず巻き起こる砂埃にきっと神様だって顔をしかめているに違いないと思わずにいられない。






















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