2013年7月22日月曜日

多度大社(たどたいしゃ) 5世紀後半 ★★

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所在地 三重県桑名市多度町多度
主祭神 天津彦根命(あまつひこねのみこと)
社格  式内社(名神大)・国幣大社・別表神社、伊勢国二宮
創建  5世紀後半(雄略天皇の御代)
機能  寺社
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今日が5日間に渡る巡礼の最終日。流石に疲労も蓄積し、長時間の運転で毎日転々とする生活から解放され、今日の終わりには家に帰れることを嬉しく思いながら起床。

泊めてもらった教師をしている友人が学校に出勤する時間に合わせ7時前に出発し、一緒に朝食をとって友人と別れ、本日最初の訪問地である多度大社(たどたいしゃ) へと向かう。

今回の旅行で何度か訪れることになった大社。訪れてきた他の大社同様、この神社もこの地で長い歳月の中、重要な役割を果たして来たのだろうと想いを馳せながら月曜の朝から結構な交通量の田舎道を進む。

地図上の距離では結構近いと思っていたが、そこまでの道があまり整備されておらず、そこそこ時間がかかって到着する境内前の駐車場。月曜の早朝ということもあり、まだ誰も他には参拝者がいない様子。

一の鳥居を前にすると、如何にも夏祭りの準備が進められいる様子が伝わってくる。照明を吊るすための電線が縦横無尽に張り巡らされ、提燈を吊るした祭りの夜の景色はさぞや荘厳だろうと思わずにいられない。

階段を山に向かって上がっていく構成になっており、最初の階段をあがりきると、右手に拝殿が待ち受ける。その左から更に山に向かう鳥居が構えているが、まずは手水で身体を清め拝殿に向かって朝一番の拍手を打つ。

早朝の静かな境内。気持ちのいい川のせせらぎが聞こえてくる。なんとも気持ちが清められる雰囲気。大きく深呼吸をし、更に奥へと進んでいく。右手に流れる小川が平行し、常に水の音を耳にしながら坂道を進む。その頭上にも小さな電球が。8月11日・12日に行われるという「ちょうちん祭」で、この電球に白と赤の提燈が被せられた夜の境内は、古代から流れるハレの場としての神社の空気を現代に持ち込むのだろうとなんだか気分も向上する。

坂道を登りきり、橋を渡ると見えてくるのが本殿。その前には既に沢山の提燈が吊らされ、本殿全体を視界の納めることは出来なくなっている。本殿に参拝し、右手に回るとそこには小さな滝が祀られている。やはり綺麗な水を与えてくれる源泉はどの時代でも信仰の対象になっていたのだと思われる。

この多度大社。主祭神は天照大神の第3子である天津彦根命。さらに境内には天津彦根命の子である天目一箇命を祀る別宮・一目連神社もあり、本宮とともに「多度両宮」と言われているという。

天津彦根命が天照大神の子であることと、伊勢神宮への参詣のための街道沿いにあることから、古代より伊勢との関係が深く、「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片参り」とも詠われ愛されてきたと言う。そのことから北伊勢大神宮・多度大神宮などとも云われたという。

山の麓に位置し、本殿に向かって徐々に山を登っていく形式なのは、古代に社殿背後の多度山(標高403m)を神体山としていたことからくるのだろう。

多度大社の例祭である多度祭は、毎年5月4日・5日に行われ、その中の「上げ馬神事」は、坂道を馬が駆け上がっていく迫力のあるもので、その起源は南北朝の頃に始まったといわれている。

恐らく桑名市民にとっては、この祭りが一年に一度の大きなハレの日で、「祭りといえば・・・」に当たるものなんだろうと想像する。そうして、自分の街にとっての祭りがちゃんと生きている場所はやはり幸せなんだなと思いながら、駐車場目指して境内を駆け下りる。













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