どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる
——茨木のりこ「六月」(『見えない配達夫』所収)
地球の地軸が23.4度傾いているおかげで生み出される、豊かな季節の変化。
その変化のピークを示す二至の一つである夏至の日には、
日常では流れていってしまうような長いスパンの時間に想いを馳せたい。
そんな時に思い出されるのが、 今年、
生誕100年を迎える茨木のりこの詩。
人間らしく美しい街並みや人と人との温かい結びつきを、
仲間たちと共に力を合わせて形にしていきたいと、願う夏至の一日。





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