2012年5月5日土曜日

自分にとって初めては家族にとっても初めてということ


北京に戻って一ヶ月が経過した。

自分にとってもは「戻った」ことになるのだが、前回と今回では大きく異なる点が二つある。

一つは何と言っても一緒に「ついて来て」くれる家族である妻の存在。
そして二つ目は前回苦しんだ、日本人としての、そして建築家としての自分の軸。

二つ目に関しては、日本で過ごした時間によって、一回きりの自分の人生という限られた時間で、その時間を費やす対象として選ぶべきがなんなのか。また母国以外の地で生活を持つこと。それらに対して、前はちょっと悩むとかなりグラグラしていた自分の軸が随分しっかりさせることができたが、これは自分の問題。

しかし一つ目、つまり妻にとってはすべてが外からもたらされた人生の転換となっていることは間違いない。まったく接点のなかった中国という国の、北京という地で、まったく新しい日常を開始しなければいけなかったこの一ヶ月。

自分も以前同じように経験した・・・と言っても、その時の自分は少なくともそれを望んで、自らの足で向かった先だが、今回の妻にとっては夫という外的要因のよって行き着いた先となる。

そういうことを考えると、この一月の間本当に明るく陽気に楽しみながら変化に順応してくれた妻に改めて感謝だと思う。

一ヶ月の間に起こった自分にとって初めての事柄は、裏を返せば、同じ時間の別の場所では、すべて妻にとって初めての経験だったということになる。初出勤も初出張もすべて、その裏では一人で過ごす妻の初めての体験があったということに改めて気がつく。

一日、一週間、一ヶ月と結ぶべく円環の大きさが大きくなればなるほど、初が徐々に減っていくのだが、とにかく「自分にとって初めては妻にとっても初めてだ」ということを忘れずに、感謝とともに時間を過ごそうを改めて思う一ヶ月目のこどもの日。

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