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スタッフ
監督 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
原作 裴鉶(ハイ・ケイ) 「聶隱娘」
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聶隠娘(ニエ・インニャン);舒淇(スー・チー)
田季安(ティエン・ジィアン);張震(チャン・チェン)
鏡磨きの青年);妻夫木聡
青年の妻;忽那汐里
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2015年第68回カンヌ国際映画祭 監督賞
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オフィスのマネージャーはかつて映画産業で働いていたこともあり、どうやらそちら関係の仕事をしている友人が多いようである。トコトコやってきて、「カンヌで賞をとったとてもアーティスティックな映画が今日まで上映しているので、スタッフに鑑賞させてあげるのはきっと仕事にとってもいい影響があると思う」というので、「なら午後に行こう」ということで、興味のあるというスタッフ計15人ほどで映画館へと足を運ぶ。せっかくなので、妻にも連絡をしてみると「興味ある」ということなので途中で拾って映画館へ。台湾人監督によって、中国では有名な時代小説の映画化で、舞台は唐の時代ということらしい。プロットとしては幼いころに融解された少女が、暗殺者として教育されて地元に戻ってきて、暗殺を企てる相手はかつての許婚ということらしい。全体的に台詞が少なく、しかも発せられる台詞は漢詩のように非常に詩的な表現をとっているらしく、とても外国人が用意に理解できるものではなく、なんとなく雰囲気と後ろの席に座ったオフィスのマネージャーが英語にて耳元で説明してくれるのに耳を傾けながらなんとなく物語を理解していく。
日本でも、妻夫木聡と忽那汐里が出演したということで話題になったようであるが、妻夫木聡は物語上重要な登場人物として広く画面に現れるが、忽那汐里に関してはどうやっても見つけることができず、後々調べてみると彼女は日本版だけでの登場ということになっているらしい。上映場所によって微妙に編集を変えていく現代の映画産業においては、良くありがちなプロモーションの一環ということであろう。
とにもかくにも言葉を発せず、すり足で近づき、華麗な殺陣を立ち回り、それでいて人としての感情に揺れ動かされる主人公を中心に、全体に非常に詩的な雰囲気のある映像で構成される。カンヌで監督賞を受賞したというのも納得できる作品であるが、これを本当の意味で理解するには相当レベルの中国語の能力が必要であり、それが無ければやはり表面の美しさや雰囲気だけで理解して気になってしまうだけだろうと思いながら映画館を後にする。
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