2016年2月17日水曜日

「マイ・インターン」 ナンシー・マイヤーズ 2015 ★★★

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スタッフ
監督 ナンシー・マイヤーズ
脚本 ナンシー・マイヤーズ
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ベン(インターンの高齢者):ロバート・デ・ニーロ
ジュールズ(女性CEO):アン・ハサウェイ
フィオナ(マッサージ師):レネ・ルッソ
ジェイソン(ベッキーに恋するスタッフ):アダム・ディバイン
ディビス(髭もじゃの新人):ザック・パールマン
ベッキー(アシスタント):クリスティーナ・シェラー
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妻が飛行機の中で観たといって随分熱心に勧めてきた一本。最近、モニターのついている飛行機に乗っていなかったためなかなか機会がなかったが、本日はマイルを使っての日系航空会社ということで、ウキウキしながら検索して見つけたこのタイトル。

アン・ハサウェイで舞台はファッション業界となると、「プラダを着た悪魔」を想起させどうしても「二匹目のドジョウ」感は否めない。当時はまだまだアシスタントとしてペーペーだったハサウェイが今度はファッションサイトのCEOとして活躍するのだから、時間の流れを感じずにいられない。

時代の流れといえば、この映画の通奏低音として流れているのは、「高齢化社会、女性の社会進出、多様な夫婦の形、自由なオフィス環境・・・」といった、現代社会の抱える様々な問題。それを摩擦はありながらも、それぞれが適材適所としてうまく共存しながらハッピーに生きていく姿を描いている。

それにしても、これはこの作品に限らず、最近の多くの作品に見られる傾向で、映画の本編とは関係ない内容で明らかに巨大なマーケット、もしくはスポンサーを抱える中国市場に媚びるかのような不必要なシーンの数々。

公園で太極拳に興じるロバート・デ・ニーロの姿を見つけたアン・ハサウェイが、如何にも健康に良いものとして多くの人々が嗜む運動のようにその列に倣うもの、なんとも強引な展開。そのような分かり易い映画業界のジレンマを画面に見つけるたびになんとも言えない世界の仕組みを感じることになる。

プラス劇中でなんども出てくる別れの挨拶。それが「さよなら」と言うが、どう考えてもそのシーンでは「おやすみ」だろうと思いながら、これだけの大掛かりなハリウッド作品でも、誰もネイティブの日本人に「この使い方で問題ないのか?」と確認を取らなかったのかと思うと、映画業界もそんな余裕がなく、なんとなく雰囲気が出ればよく、誰もそんな細かいことを気にしないだろうという態度なのだろう。

それらのことを差し引いても充分にこれからの高齢化社会もそんなに悪くないかもと思わせてくれる一作であることは間違いない。効率化に流されず、しっかりと自分の好きなもの、スタイルと振る舞いを確立して歳を取っていく、それが高齢者となっても社会に必要とされる唯一の策なのだと自戒する。













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