2016年2月4日木曜日

淡路夢舞台 安藤忠雄 1999 ★★


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所在地  兵庫県淡路市夢舞台
設計   安藤忠雄
竣工   1999
機能   会議場・温室・ホテル・野外劇場・商業施設
敷地面積 約28ha
延床面積 約109,000m2
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日が沈む前になんとかたどり着きたいと向かったのは安藤忠雄の設計で有名な淡路夢舞台(あわじゆめぶたい)。阪神淡路大震災の慰霊の意味をこめて作られたのかと思い込んでいたが、どうやら計画は1998年に開通した明石海峡大橋に合わせて進められており、着工間直に起こった阪神淡路大震災の影響もあり、敷地の活断層を再調査するなどして計画に見直しが施され、二年遅れの竣工として、2000年の花博である 「淡路花博・ジャパンフローラ2000」の会場としてオープンしたのだという。

そのイメージも手助け、有名な段球状になった花壇や、古代遺跡を思わせるような地形を利用したコンクリートの立体的な広場のイメージが強く、よく考えたらどんな施設なのか具体的に理解せずに足を運んだのだが、これほど巨大な施設だとは驚いた。

淡路島の東側に大阪湾を見下ろすような丘陵状の敷地に南北に広大に設置されたのは、北から屋外劇場、温室「奇跡の星の植物館」、円形フォーラム・楕円フォーラム・貝の浜と呼ばれる商業施設、段丘花壇の百段苑、ウェスティンホテル淡路、国際会議場と、実に多くの個別の建物が一つのマスタープランによってつながれて、全体として巨大な回遊式庭園を構成しているというもの。しかし、そのスケールはとてもじゃないが身体スケールを創造するようなものではなく、歩いてぐるっと回ろうとすると軽く数時間はかかるという規模のもの。

段丘になった敷地に沿うようにして建物が配置されているので、「何階」という理解が非常に難しく、地下の駐車場からとりあえず上階にアクセスして外に出る。どうやらそこが円形フォーラムと呼ばれるところらしいということを理解し、地図を片手にとにかくぐるりとめぐろうとまずは何よりもと思っていた百段苑へ足を向け、そこから地元の水産加工工場で捨てられるはずであったホタテ貝の貝殻を、水盤の底に敷き詰めることで独特な表情を作っている貝の浜を経由し、円形フォーラム・楕円フォーラムへと出て、ぐるぐる巡りながら下層に到着し、方向感覚を失いながらもシンプルな箱型の温室「奇跡の星の植物館」の脇を通り抜け、やっと北の果ての屋外劇場へと到着。

休むまもなく北側の遊歩道を急いで戻り、ロビーが中国人観光客でごった返すウェスティンホテル淡路を通り抜け、最南部の国際会議場まで行こうとするが、どうやら今日は会議があるために外部の人は立ち入り禁止となっているらしく、ウェスティンホテル内の海の教会を除いてやっとスタート地点に戻ってくると、「閉館時間となりました・・・」というアナウンス。

「いったいどんな運営になっているんだ・・・?」と思って調べてみると、兵庫県が出資している第三セクターである株式会社夢舞台の運営だという。なんだか納得しながら、追い立てられるようにして駐車場に戻ることになるのだが、これだけ巨大な施設を、やはり一人の建築家や建築事務所の設計によって、ある手法を前面に押し出して作られると、その世界観の中に閉じ込められるような感覚は否めない。「建築と都市の間の規模を持つプロジェクトの難しさ」を感じながら、沈みゆく夕日と競争するかのように、本日最後の目的地へと車を向かわせることにする。




野外劇場
兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」
円形フォーラム・楕円フォーラム
百段苑
ウェスティンホテル淡路
国際会議場



















貝の浜


楕円フォーラム



温室「奇跡の星の植物館」

屋外劇場

海の教会

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