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SF大作が豊富な2013年。前評判は非常に悪いようだが、それでも期待していたのがこの一作。なんといっても西暦3072年というその設定。1000年先を想像するには、1000年前を思い出す必要があり、その頃日本は鎌倉前夜の平安時代。うららかな貴族時代から、猛々しい武士の時代へと移り始めたその時に、1000年後の世界では日常的に人々が大きな鋼鉄の鳥のような乗り物に乗って、大空を飛び回っているなんてどうやって想像しえただろうか?
まぁそれほどミレニアムというのは、まったく違ったパラダイムに突入してしまい、社会も、科学も、建築も創造だにしないほど別次元の世界となってしまう訳である。アイフォンがどれだけ世界を変えたかを見れば分かるように、テクノロジーの進歩は簡単に日常の風景を変化させてしまう。
そんな未来が見えにくくなったこの時代においてなおかつ1000年後という大風呂敷を広げようとするとなると、それはそれはよっぽど素晴らしいブレーンをそろえ、その中には有能な建築家や都市計画家も含まれ、新しい建築素材や工法なども含め壮大な未来の世界を提示してくれるのだろうと勝手にハードルを上げていく。
物語は、地球を捨てて違う惑星に移住した人類のお話。遠征途中に事故で不時着した邪悪な惑星はかつて人類が見捨てていった地球。何故だか分からないが人類に襲ってくる進化した動物達と居住に適さなくなってしまった地球環境。一日の中の温暖差が異常に高く、夏と冬が一日の中でやってくるという設定は、生物学上どれほど信憑性があるのだろうと思いながらも物語りは進んでいく。
人類が見捨てた。という割には、核戦争などで壊滅的に破壊されたような分かりやすい状況でもないらしく、ここまで進んだテクノロジーがあれば、十分に居住可能環境をつくれそうなのにと思いながらも、住めない理由は明かされない。
逆に高度文明を持った人類というわけには、建築や都市も含めて1000年の時間を経た文明と納得するには程遠い状況で、脚本に参加したであろう専門家の想像力の底が透けて見える。
なんといっても未来文明のアイコンとも言えるように全編を通して主人公が見につける薙刀のような武器。ボタンの押し方によっては、刃の形が様々な変化するようだが、かつてキン肉マンで使われたような武器の様に状況において効果的に使われる事は一切なく、消化不良のままに放置される。
襲ってくるアーサという動物の位置づけもいまいち良く分からなく、兎にも角にも表面的に未来的な世界観にアバターのような自然世界を取ってつけたような印象は否めない。実の親子というウィル・スミスが息子の為に作らせた感が否めない、なんとも大掛かりな学芸会のような映画。
未来を見据える時にはその距離感が大切だと改めて教えられる一作であろう。
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スタッフ
監督M・ナイト・シャマラン
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キャスト
ウィル・スミス サイファ・レイジ
ジェイデン・スミス キタイ・レイジ
ソフィー・オコネドー ファイア・レイジ
ゾーイ・イザベラ・クラビッツ センシ・レイジ
リンカーン・ルイス ボー
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作品データ
原題 After Earth
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 100分
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