2010年5月7日金曜日

「内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方」 舛添要一 角川oneテーマ21 2002 ★★






















国を導く指導者に必要な要素のうち、不変的要素として著者が挙げるのが、

ヴィジョン提示力
歴史と哲学の素養
人心掌握術
組織力
経験

そして今日的要素として挙げるのが、

危機の認識ち危機管理力
カリスマ性
テレビ・ポリティクス
国際性
IT適応力

この10の要素を持ち合わせている現在の日本の指導者は一体誰か?

経済学者だけあって、さすがにデフレ・スパイラルなどの説明はふむふむと読んでしまうほどうまい。
まずはデフレの定義。二年連続で消費者物価がマイナスとなることがデフレ状態になるという。

非常に今日的だが、腹が減れば吉野家で280円の牛丼か、マックで59円のハンバーガーを食べ、日用品は100円ショップで揃え、洋服はユニクロ、薬はマツキヨで買い揃える生活。

贅沢を臨まない世代にとっては、それが何が悪い?という話だが、デフレ時には物価も下がると同時に、資産や給料も目減りする。インフレ時には物価が上がるから、今のうちに買う。買うからさらに物価が上がるという連鎖が起こるが、デフレ時においては、下がるともっと下がるのではという期待で今は買わない。消費が収縮する。資産が目減りする。目減りすると、売却金で借金返せないので、個人レベルで債務超過に陥る。

デフレ時において借金は目減りしない。だから企業は利益の最大化を停止し、債務の最小化に向かう。ひきづられて、経済全体が縮小し、更に給料が増えない。これがデフレ・スパイラル。

これに対しては、金融政策で対処すべきだが、度重なる日銀の判断ミスで現状までずるずると来てしまっている。 その対策としては、インフレターゲットが必要だと。つまり、日銀が少し多めに通貨量を増やし、かるいインフレを引き起こせということ。


政治を「貴業」と心得、「虚業」に徹せという著者。
政治の本筋は希少資源の権威的配分であるという。

井上準之助元大蔵大臣の

「常識を養うには、読書は必要無い。日常の業務処理にも読書は必要無い。しかし人をリードしていくのにどうしても読書が必要である。明日起こってくる問題を知るにはどうしても読書しなくてはならない」

という言葉を引く著者。

夏の参院選を見据えて、第三極を牽引する指導者になるために、この連休にどんな読書をしたのかが興味深い。

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「政治の弁証」 バーナード・クリック
「戦争論」 カール・フォン・クラウゼヴッツ
「毛沢東語録」 毛沢東
「政治体系」 デヴィッド・イーストン
「政治家の条件」 ヘンリー・テイラー
「夜警国家」 アダム・スミス
「代議政治論」 ジョン・スチュワート・ミル
「男子の本懐」 白山三朗
「政治家の条件」 ヘンリー・テイラー
「君主論」 マキャベリスト
「ジョセフ・フーシュ」 シュテファン・ツヴァイク
「職業としての政治」 マックス・ウェーバー
「第二次世界大戦回顧録」 ウィンストン・チャーチル
「マクベス」「ハムレット」 シェークスピア
「オイディプス王の悲劇」 ギリシャ悲劇
「駕籠に乗る人・担ぐ人」 早坂茂
「ローマ史論」 マキャベリ
「我が闘争」 ヒトラー

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