「南屏晩鐘(南屏晚钟)」のある浄慈寺から道を渡ってすぐにあるのが、「雷峰塔景区」。「雷峰塔」と呼ばれる八角形の塔を中心とした観光地区ということで入場するのに一人40元(日本円で750円)を支払うことになる。大変な数の観光客がいたために、「これだけの人から750円も取ったら、一日で相当な収益になるだろうな」と俗っぽいことを考えながら中へと向かう。
「雷峰塔(れいふぉんた、léi fēng tǎ)」というのは、975年の五代十国時代の呉越国(ごえつこく)のお妃が男の子を出産したのを祝って建立された塔で、妃の名をとって黄妃塔と名づけられた塔が、その後塔の建つ西湖南岸の夕照山の最高峰である雷峰頂の名を取って、「雷峰塔(れいふぉんた、léi fēng tǎ)」と名を変えられたという。
この場所での西湖十景は
⑩「雷峰夕照(雷峰夕照)」 雷峰塔(れいふぉんしーじゃお、léi fēng xīzhào)
西湖のどこからでも視界に入ってくる西湖のアイコンとなっているこの雷峰塔が、西湖の背景で夕日に映える姿を言い、つまりはこの雷峰塔の対岸の北側や東側から眺めた風景を指すという。
そんな訳で「見られる対象」である雷峰塔であるが、もちろん72mというその塔に登って、西湖の景色を見下ろすこともできる。山の上に鎮座するために、今では観光客の為エスカレーターと塔の中心にはエレベーターも設置され簡単にアクセスすることができる。
内部に入っていくとこの雷峰塔の説明の展示がされており、その中で、明時代に日本が攻め込んで来た際に、この塔に火が放たれ、外部の構造や装飾などが全て焼け落ちてしまい、残ったのは内部のレンガで造った構造部分のみの状態が随分長く続いていたという。そしてこのレンガも徐々に盗賊に盗まれたりし、ついに1924年に塔が崩れ落ち、そして2002年に再建され現在の姿に戻っているという。
またこの地は中国の有名な民間伝説の一つである「白蛇伝(白蛇传、はくじゃでん、Bái Shé Zhuàn)」由来の場所であるらしく、そういう方面にやたらと詳しい同行ご夫婦の旦那さんの英語での説明に耳を傾けながら塔の上から先ほど訪れてきた蘇堤や三潭印月を眺め、少々西湖の地理とスケール感をつかみ始めたなと思いながら塔を後にする。
西湖十景
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