「やはり水際に手摺がないというのは風景だけの問題ではなく、心理的にも水との親和性を高めるのにこれだけ大きな効果があるのか・・・」
とやたら納得しながら絶景の夜の白堤を自転車で颯爽と飛ばしていく。そうしているうちにすっかり日が暮れ、闇の中にライトで照らされる木々の姿を楽しみながら白堤を渡りきる。
そこに現れるのは西湖を代表する月見の名所である西湖十景。
③「平湖秋月(平湖秋月)」(へいこしゅうげつ、píng hú qiū yuè)
西湖には二つの長い堤がかかり人工的な直線を風景につくりだしているが、蘇堤が南北に走る直線であるなら、西湖の北に東西に走る直線が白堤(はくてい)である。これは唐代の大詩人・白居易が杭州の長官であった時築かれたため、その名を冠して白堤を名づけられている。その白堤の西に突き出した八角亭があり、ここから南に広がる静かな湖に映る秋の月の風景を指したもの。
無料で入れる為に門の前に自転車を止め、夫婦ごとに中を見学することに。「なかなか時間がかかっているな」と思った頃に同行ご夫婦が出てきて、「ロマンティックなのでごゆっくり」という言葉に誘われて中に入っていくと、目の前には180度広がる西湖の景色。その奥には今日一日巡ってきて既に頭と身体の中にインプットされた様々な場所がライトアップされて闇の中に浮かび上がる。
その風景に、「流石にこれはここでしか見れない風景だな」とやたらと納得してしまう。そして「これは時間がかかるのもまた納得だな」と外に戻り、互いに感想をいいながら、先に進むと、杭州といえば必ず名前の挙がるレストランである楼外楼(ろうわいろう)が見えてくる。
今夜はここで中国八大料理の一つに数えられる杭州料理を楽しむことにする。
西湖十景
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