引っ越しに合わせ、自宅とオフィスと実家の片付けをするハメになり、出てくるのはデジタルに移行する前にそれこそ高校生時代から三日坊主の繰り返しで書き綴られた日記と手帳の束。
筆跡鑑定は一理あるなと納得させられるほど今と変わらない文字で、それこそ今とたいして変わらない内容が綴られる。
不思議なものでその文を読んだ瞬間にその事象に付随する様々な事や感情が蘇る。アンジェラ・アキではないが、その時々の自分に今の自分が怒られないか何だか身が引き締まる。
高画像で写真におさめ、捨てようとゴミ箱に入れるが、
「文字だけじゃなくて、いろんなものが残ってるからやめた方がいいんじゃない?」
と妻に言われ、捨てられない母親を責められないなと思いながらゴミ箱に手を伸ばす。
人は忘れる生き物で、一度忘れた感情の鮮度は失われるだけならば、せめてこのようにかつての自分を召喚できる記録を残す手段を持つのも悪くはないかと、今日もまた文章を綴る。
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