2012年11月8日木曜日

大宰府政厅遺跡 ★★★★


昨年の夏に訪れたイギリスのストーンヘンジ。その車中で大学院時代の親友が運転をしながら教えてくれたのが、イギリス政府はストーンヘンジ周辺の施設をすべて地下に埋める計画をしているという。それはストーンヘンジそのもの以外の人工物は何も目に入らないようにして、当時の風景を本当の意味で再現するためだという。

それと同じことがこの大宰府ですでに実現しており、奈良・平安時代に九州の中心として栄えた当時の風景を想起させるに十分な広がりを与えてくれて、当時の人々が見たであろう同じ自然の風景を感じられる独特の空間。

平城京、平安京という国の中心地より当時の外国である朝鮮・中国に接する場として、実務としての外交や防衛として役所が定めれた場の遺跡が残る。万葉集に「遠の朝廷(みかど)」と呼ばれたのに相応しいほどの、懐の大きなその風景を良く見ると、決して自然の姿だけではなく、長い年月確実に人の手が入ることによって保たれた人工的な自然の平地の存在が歴史の重さを感じさせてくれ、赤く染まり行く頭上に広がる空を見上げながら、その風景の中で遊ぶ子供達はとても心の大きな人に育っていくのだろうと想像を馳せる。







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