2012年11月10日土曜日

「銀座ブルース」 柴田哲孝 2009 ★



ワイルドな作者の作風が好きで、今まで何冊か読んできたが、どうにもこの一冊は過去の作品からの継ぎ接ぎだらけの印象で残念である。

「下山事件」をかすめながら、逞しくあった戦後の混乱期の日本に置いて、最も活気を呈していたであろう銀座。そこを我が物顔で闊歩するGHQの米兵達と、彼らに群がり生きていく女達。

街全体が持っていたエネルギーが目に見えるかのような時代。現代の日本からは羨ましく映るであろうその風景。

女・金・力。

生きることの目的が明確であった時代に生きる男と女。

それはいいのだが、昨今のワイルドな時代の波に流されて、UMAシリーズの様なブレない軸が見つからないうちに書いてしまったのだろうと想像せずにいられない一作。



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/Ⅰ 銀座ブルース
/Ⅱ 殺人鬼
/Ⅲ 青いダイヤモンド
/Ⅳ 帝銀事件
/Ⅴ 尾行
/Ⅵ 国鉄総裁変死事件
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