少しでも気を抜いて安全バーを握る手が緩まれば、
アッという間に遠くまで吹き飛ばされる。
毎日、そんな風に時間が過ぎていく。
こちらに戻って早二ヶ月が経ち、進行中のいくつものプロジェクトの中には、既に開始から数年経つものもあれば、始まったばかりのホヤホヤのものもあり、それぞれに把握する内容は異なるが、どのプロジェクトもチームメンバーがいて、ここにいたるまでの様々な紆余曲折があって、クライアント、構造、設備、環境、ランドスケープ、ファサード、プロジェクト・マネージメント等々様々な外部の関係者とのやり取りがあり、一日に発送信されるメールは数知れない。
進行しているオペラハウスのプロジェクトでは、外装カーテンウォールの入札用の資料を作成し、モックアップの納まりを確認していると、劇場だけでなく公共部分の音響効果の確認の資料が届いてどこを修正しなければいけないという意見書が届き、修正をしたらしたらで今度は内装設計の会社にその情報を流していく。
その連絡をしたら、内装は内装で入札用の図面を仕上げるために、そちらに送った図面のチェックを早くしてくれと言われ、印刷してみるとA2サイズで700枚。週末ではあるけれどもオランダ人のプロジェクト・アーキテクトを捕まえて、二人で分担してひたすらコメントを書き込む。
コメントだけで伝わるはずが無いのが建築なので、その日の夜にはそのメモを送っておいて、翌日に打ち合わせを開いて図面上でどこが違っているのか指摘する。オペラハウスという特殊な建築だけあって、内装会社のチームも軽く10人を超えるサイズで、それぞれが各部分や各階を担当しており、一人一人は自分の担当を確認するが、こちらは全部やりとりをする。しかも中国語で・・・となるから外国人のプロジェクト・アーキテクトの分も翻訳しながら説明をするので、全部を終えたら軽く3時間は過ぎており、頭も身体もクタクタで、建築設計は身体的な作業だと再確認する。
そんなこんなで時間を割かれていたら、別途進行しているアパレル会社の本社ビルのプロジェクトの、外装材における風加重を確認するために風洞実験を行うから、風洞実験会社へ送るカーテン・ウォールに関する必要な情報をコンサルタントからいつもらえるのか?と執拗な催促がプロジェクト・マネージメント会社から届いており、香港に拠点を置くコンサルタントにお願いだから早く資料を作成してくれ、と催促メールを送り届け、電話をかける。
一息ついたところで、日本で進むプロジェクトの資料を引っ張り出して、一人敷地を想像しどんな空間にできるかとスケッチを進め、日本のスタッフと連絡を取りながら資料を作成していく。
そんなことをしていると、打ち合わせだと呼ばれていけば、今度は別に進んでいる文化センターのプロジェクトで、同様に入札用に作成していた資料だが、資金不足のために作成依頼するモックアップの範囲を少なくするという連絡が入り、かつは中国の大手設計院で働いており、今はこのプロジェクトのマネージャーをしてくれているスタッフと二人「那,怎么办・・・」と肩を落としながら、修正案を考える。
デスクに戻ろうとすると、アドミニのスタッフから、募集をかけていたポジションへの応募者からの資料が届いているからということで、数人分のCVと資料を印刷してチェックし、実務に強いスタッフ数人に同じように確認するにお願いし、意見を聞いていく。
そんなこんなでデスクに辿り着くと、あっという間にメールの山で、なかなか仕事をしようとしないプロジェクト・マネージメント会社の担当者から、ロジカルな説明も無いまま再度の催促。しかも中国語で。
基本的にメールは中国語か英語なので、中国語の時は間違いがないように、両方堪能なスタッフに確認の翻訳をしてもらう。早く自分でできるようにならないとと、それすらイライラしながらメールの対応をする。
そんなこんなを終えて、今度は新しく東京で開店する友人の店舗設計の図面を確認しながら、予算とデザインがどうにか納まるようにと修正して、またまた日本のスタッフにメールを送る。
各プロジェクトのチームには5-10人ほどのメンバーがいるので、各人がやることを明確に理解して無駄が無い様にスケジュールを考えて、スケッチを描いてどういうデザインかを伝える。それぞれの休暇のスケジュールを把握しながら、プロジェクトのスケジュールに置いてかれないようにするだけで必死で、積極的にプロジェクトの全容をコントロールするまでには程遠い。それにまたイラつく・・・まさに「跟自己过不去」状態・・・
そんなこんなで気がつけば外が暗くなっていて、とてもじゃないが、思ったことを書き綴るなんていう時間は微塵も無い。今日一日、一体何を終えることができたんだ・・・と思わずにいられず、そんな思いが積もりに積もりパートナーに久々に、
「こういう毎日で楽しいか?」
と聞いてみる。
「どこの設計事務所もmessはmessだし、しかも中国の建築業界はまだまだ酷い状況で、さらに我々は難しいことをやろうとしているからmessは当然じゃないか」
と。
「まぁ、そりゃそうだけどさ。」
と思いながら、
「どうせ、10年後にはこういう毎日的なストレスは覚えてないから、まぁいいか」
と言って、また二人でフライド・ポテトを平らげる。
アッという間に遠くまで吹き飛ばされる。
毎日、そんな風に時間が過ぎていく。
こちらに戻って早二ヶ月が経ち、進行中のいくつものプロジェクトの中には、既に開始から数年経つものもあれば、始まったばかりのホヤホヤのものもあり、それぞれに把握する内容は異なるが、どのプロジェクトもチームメンバーがいて、ここにいたるまでの様々な紆余曲折があって、クライアント、構造、設備、環境、ランドスケープ、ファサード、プロジェクト・マネージメント等々様々な外部の関係者とのやり取りがあり、一日に発送信されるメールは数知れない。
進行しているオペラハウスのプロジェクトでは、外装カーテンウォールの入札用の資料を作成し、モックアップの納まりを確認していると、劇場だけでなく公共部分の音響効果の確認の資料が届いてどこを修正しなければいけないという意見書が届き、修正をしたらしたらで今度は内装設計の会社にその情報を流していく。
その連絡をしたら、内装は内装で入札用の図面を仕上げるために、そちらに送った図面のチェックを早くしてくれと言われ、印刷してみるとA2サイズで700枚。週末ではあるけれどもオランダ人のプロジェクト・アーキテクトを捕まえて、二人で分担してひたすらコメントを書き込む。
コメントだけで伝わるはずが無いのが建築なので、その日の夜にはそのメモを送っておいて、翌日に打ち合わせを開いて図面上でどこが違っているのか指摘する。オペラハウスという特殊な建築だけあって、内装会社のチームも軽く10人を超えるサイズで、それぞれが各部分や各階を担当しており、一人一人は自分の担当を確認するが、こちらは全部やりとりをする。しかも中国語で・・・となるから外国人のプロジェクト・アーキテクトの分も翻訳しながら説明をするので、全部を終えたら軽く3時間は過ぎており、頭も身体もクタクタで、建築設計は身体的な作業だと再確認する。
そんなこんなで時間を割かれていたら、別途進行しているアパレル会社の本社ビルのプロジェクトの、外装材における風加重を確認するために風洞実験を行うから、風洞実験会社へ送るカーテン・ウォールに関する必要な情報をコンサルタントからいつもらえるのか?と執拗な催促がプロジェクト・マネージメント会社から届いており、香港に拠点を置くコンサルタントにお願いだから早く資料を作成してくれ、と催促メールを送り届け、電話をかける。
一息ついたところで、日本で進むプロジェクトの資料を引っ張り出して、一人敷地を想像しどんな空間にできるかとスケッチを進め、日本のスタッフと連絡を取りながら資料を作成していく。
そんなことをしていると、打ち合わせだと呼ばれていけば、今度は別に進んでいる文化センターのプロジェクトで、同様に入札用に作成していた資料だが、資金不足のために作成依頼するモックアップの範囲を少なくするという連絡が入り、かつは中国の大手設計院で働いており、今はこのプロジェクトのマネージャーをしてくれているスタッフと二人「那,怎么办・・・」と肩を落としながら、修正案を考える。
デスクに戻ろうとすると、アドミニのスタッフから、募集をかけていたポジションへの応募者からの資料が届いているからということで、数人分のCVと資料を印刷してチェックし、実務に強いスタッフ数人に同じように確認するにお願いし、意見を聞いていく。
そんなこんなでデスクに辿り着くと、あっという間にメールの山で、なかなか仕事をしようとしないプロジェクト・マネージメント会社の担当者から、ロジカルな説明も無いまま再度の催促。しかも中国語で。
基本的にメールは中国語か英語なので、中国語の時は間違いがないように、両方堪能なスタッフに確認の翻訳をしてもらう。早く自分でできるようにならないとと、それすらイライラしながらメールの対応をする。
そんなこんなを終えて、今度は新しく東京で開店する友人の店舗設計の図面を確認しながら、予算とデザインがどうにか納まるようにと修正して、またまた日本のスタッフにメールを送る。
各プロジェクトのチームには5-10人ほどのメンバーがいるので、各人がやることを明確に理解して無駄が無い様にスケジュールを考えて、スケッチを描いてどういうデザインかを伝える。それぞれの休暇のスケジュールを把握しながら、プロジェクトのスケジュールに置いてかれないようにするだけで必死で、積極的にプロジェクトの全容をコントロールするまでには程遠い。それにまたイラつく・・・まさに「跟自己过不去」状態・・・
そんなこんなで気がつけば外が暗くなっていて、とてもじゃないが、思ったことを書き綴るなんていう時間は微塵も無い。今日一日、一体何を終えることができたんだ・・・と思わずにいられず、そんな思いが積もりに積もりパートナーに久々に、
「こういう毎日で楽しいか?」
と聞いてみる。
「どこの設計事務所もmessはmessだし、しかも中国の建築業界はまだまだ酷い状況で、さらに我々は難しいことをやろうとしているからmessは当然じゃないか」
と。
「まぁ、そりゃそうだけどさ。」
と思いながら、
「どうせ、10年後にはこういう毎日的なストレスは覚えてないから、まぁいいか」
と言って、また二人でフライド・ポテトを平らげる。
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