冬の北陸を見に、雪の小松空港に降り立ち、レンタカーを飛ばして隣県の福井県へ。
目指すは曹洞宗の大本山・永平寺。
曹洞宗といえば、鎌倉新仏教である6宗(浄土宗、浄土真宗、時宗、法華宗、臨済宗、曹洞宗)の一つで道元によって開かれた坐禅を組むことで悟りに至るとし、厳しい修行で知られる宗派。
今年のテーマが宗教ということもあり、鎌倉仏教の総本山は永平寺を終えれば残すは時宗の遊行寺のみ。年内になんとか行けそうだなと想いを馳せながら、道路わきの木の枝に降り積もった雪が、時々「ドサッ」っと落ちてくる、なかなか緊張感のある雪道を走ると、次第に背の高い杉の頭にチラチラ雪がかかる雰囲気のある景色へと変わる。
寺院の建物は伽藍と呼ばれ、人の身体になぞらえて建てられた7つのお堂を七堂伽藍と呼び、坐禅だけでなく、食事、入浴、寝ること全てが修行として、全国から集まる200名の雲水が寝起きをする座禅修行の道場。
その為に、山門は修行に訪れた僧が修行を始める時と、修行を終えて自らの地元に帰る時の二度しかくぐることができないということで、もちろん参観客はくぐれない。その先にある鐘楼堂は「ゆく年くる年」でお馴染みのもの。
あくまでも修行の道場ということで、ところどころで多くの僧にすれ違う。皆、赤は4時半から修行を開始し、食事担当になると2時半から起床しているという。真っ暗だろうな・・・と思いながら、起きて半畳、寝て一畳という僧堂では、言葉を発してはいけないと教えられる。
百寺巡礼にもあるが、永平寺では宿泊を兼ねた坐禅修行ができるコースが用意されてるという。3泊4日でかなり厳しい日課をこなすという。
それにしても思うのは、降る雪が遅いこと。スローモーションのように、音無く漂う白の粉末。時間が止まったような風景に目を取られていると、屋根の端からコインゲームのように押し出された雪塊が「ドサッ」っと時間を進める様に、空間にアクセントをつけてくれる。そんな雪の永平寺。
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