毎年この季節を前にすると、街中で大きな製図版を持ち歩いている人の姿が見かける。恐らく一般の人は何も気にすることが無いのだろうが、経験者達は皆「がんばっているんだな」と、かつての自分の姿をダブらせることだろう。
姉歯事件以降改正された建築基準法や関連法と共に、厳しくなった試験内容に苦しめられた世代にとっては、あの試験前の苦しみの日々は決して忘れることは無く、目の前の大きな黒い製図版バッグは初心を思い出させてくれる秋の風物詩となった映る。
昨年の老人介護施設に続き、今年は市町村レベルで住民に直接サービスする図書館である「地域図書館」という地域の中で重要性を増してきた機能を持つ内容が出題された。
出題内容と模範解答を見て、今年の傾向と最新の技術的傾向を研究しようとネットをいろいろと探してみるが、どこもなかなかケツの穴が小さいというか、何でもかんでも「会員のみに閲覧可能」などと、やたらと商売っ気を出してくるところばかり。
模範解答をいち早く正々堂々と無料で掲載することの方が、本当は一番の宣伝効果になるのでは・・・と思いながらこちらは偉くキップのいい下記のサイトより資料を集める。
一級とるぞ!.Net
日建学院
基本的には2方向道路接地、2方向公園接地の敷地で条件は南メインの西側サブのエントランスで、東の道路に面して通用口。図書館と言う公共性の高いプログラムだけに公園からのアプローチ考慮。
一般開架スペースを含めた図書部門、小ホールを含めた集会部門、カフェを含めた共用部門の3部門のゾーニングをごっちゃにしないようにして、吹き抜けを適切な位置に配置してそれに絡めて空調計画するのと、指定のない小ホールを1,2階どちらに振り分けるかをゾーニングを連動して考えるくらいで、環境に考慮した記述面と、構造に対する理解をしっかり示すことができていれば、これといって難しいような内容ではなかったようである。
世間には決して気づかれることは無いが、今年もまたクリスマス前後に、足の裏の米粒に泣き笑う人たちが様々な思いを胸に来年を迎えると思うと、気持ちを引き締めずにいられない。
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