2015年12月5日土曜日

包公祠(Bāo Gōng Cí) 1488 ★★


開封の中心地を見ると、かつては3重に取り囲まれていた城壁の面影が色濃く見て取れ、切り取られた四角の中に北と南に湖があるのが分かる。

南は包公湖と呼ばれ、この周辺に開封府や包公祠などが配置されており、逆に北は龍亭公園の中に杨家湖と潘家湖という二つの湖が東西に広がる構成となっており、整形というユニバーサルな幾何学の中に自然の要素が方位性を作り出している。

その南は包公湖の西側に張り出すようにして配置されているのが、名前にもなっている包公祠(Bāo Gōng Cí)。この開封が最も栄えた北宋時代の政治家であり、開封府知事を務めた包拯(Bāo zhěng,ほうじょう、999年-1062年)を祀る廟である。

非常に厳格な態度でその職務に当たり、たとえ相手が地位のある貴族であろうとも何だろうとも、法にのっとり厳しく接したために、世の中からは非常に恐れられ、またその生活も出世した後も庶民時代と変わることの無い質素な生活を続けるなど、大衆からは非常に高い人気を博した人物である。

そんな包拯に愛情を込めて呼んだのが包公(Bāo Gōng)。つまり「包さん」と呼んでいるようなものである。その愛されぶりは日本での水戸黄門、大岡越前、遠山の金さんに近いものがあり、庶民の味方の代名詞となっている。

この開封の生んだスーパー・ヒーローである包公を祀る場所からこの開封の巡礼を始めるのは悪くないということで、穏やかに広がる包公湖の姿をしばし眺めることにする。





二門
二殿
大殿
包拯像
半壁廊

包公湖


0 件のコメント: