2015年11月20日金曜日

「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」 矢口史靖 2014 ★★

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スタッフ
監督 矢口史靖
原作 三浦しをん
脚本 矢口史靖
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平野勇気:染谷将太
石井直紀:長澤まさみ
飯田与喜(よき) :伊藤英明
飯田みき(与喜の妻): 優香
中村清一 :光石研
中村祐子(清一の妻) :西田尚美
田辺巌:マキタスポーツ
小山三郎:有福正志
林業組合専務:近藤芳正
山根利郎:柄本明
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なにやら後ろに大きな意図がやたらと見え隠れする映画である。それは

1 映画を使って地方の村おこし
2 映画を使って、廃れてきている産業の活性化

恐らくこれらは昔から行われていたのだろうが、この数年は地方の行政庁から助成金も期待できるので確実に黒字になると、幾つもの広告代理店が挙って企画をあげているのでは?と勘ぐりたくなってしまう。

それでも、今まで目に触れることのなかった地方の生活。そしてそこでの仕事や日常の姿を美しく、またコミカルに描くことで、出て行くばかりの人でなく、興味を持ってその地に足を運ぶひと、観光に訪れる人、移住を考える人などが増えればそれでもいいのかと知れないというのもまた当然のことで、そうなると「映画」というメディアの持つ意味もまた多様化してきているのだろうかと、なんともいえない感情を抱くことになる。

ロケが行われたのは三重県津市美杉町


トンでもない山奥の町で、林業を営む人々の姿を、都会からひょんなきっかけでやってきた若者の姿を通して描いていくという物語。主役に染谷将太でその脇を固めるのが伊藤英明、長澤まさみ、優香に西田尚美と若い世代相手でも十分に受け入れられそうな役者を揃え、テンポ良くコミカルに話は進んでいく。

身体の中まで清らかになる空気が満ちていそうな森や、こんな村なら住んでみたいと思えるほど美しい風景。そして毎日がしっかりと太陽の動きと連動してゆったりと流れる時間。

都会と地方の格差が叫ばれて久しい現代。この映画をきっかけに、都会の時間から離れてみようかと思う人がいるのかもしれないし、その足が向かう先がこの風景となることもあるかもしれない。それでいいのかも知れないが、やはりこれは映画なのか、それともテレビの延長なのか・・・と思ってみるとやはり製作の中にあるのはTBSテレビや博報堂の名前・・・

メディアミックスもいいが、時間が限られているのなら、やはり映画らしい映画を観たいものだと改めて思うことになる一作かもしれない。














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