2012年9月1日土曜日

「ジョン・カーター」アンドリュー・スタントン ★★★



まったく期待せず、何も考えずにただただ受動的に刺激を受けるのにちょうど良さそうだという意図で見始めたが、普段このようなアクションモノは比較的避ける妻も途中から興味深そうに見ていたように、意外と見入ってしまった一本。

重力のガルが変わってしまった空間で、もし1Gである地球上での筋力を維持することができたなら、それはいったいどれくらいのスーパーマンになるのか?

そんな計算を科学者に頼んだのであろうが、あくまでも1Gを基礎とした進化の過程で形成された人類の骨格が、重力場の違う世界でも同じような形態をしているというのには一切の説得力を持たないが、そこにリアリティを持たせようとする相当奇異な人類が現れてとてもじゃないが共感を持つことができないだろうという判断だったのだろうか。

未来でもなく過去でもなく、まったく違う科学の発展を成し遂げた世界を描くことの難しさ。地球の1Gの世界を元にした科学物理とは違う原則にそってあちらの世界の科学物理は発展するはずだろうが、それが一体どういう世界をもたらすのかに具体性がなく、ただただ砂漠の中に突然現れる近未来都市という、荒野と技術との並列という姿と、それでも空を自由に飛ぶ移動手段というどうにも使いまわされたイメージの混在。

そこかしこで首をかしげることになるのだが、それを差し引いても脳に刺激を与えずに、純粋に楽しめるアクション映画。
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監督 :アンドリュー・スタントン
キャスト :テイラー・キッチュ,リン・コリンズ,サマンサ・モートン,マーク・ストロング
,アラン・ハインズ
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原題 :John Carter
製作年 : 2012年
製作国 : アメリカ
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