タイトルと元料理人という作家の略歴に第6回『このミス』大賞受賞と帯がつけば、十分手に取ってみる理由付けはできる。
ミステリー作家が料理を題材に取材を重ねて書いた作品というよりも、ミステリー好きな料理人が溜め込んでいたアイデアを存分にぶつけたという感じの作品。
「アラサーにもなると、女性は出席する結婚式での料理にはかなり厳しい視線を持って出迎える。」
という妻の言葉が頭を過ぎるオープニング。
元料理人ならではの料理の味に対する表現などは、ところどころなるほどと納得させられ、それにパンダが昔は肉食であったということに、禁断の行為が神の怒りに触れて草食にさせられというアイデアが組み合わされって、これはいける!と思ったであろう筆者に「アハッ!」体験が訪れた日が目に浮かびそう。
しかしその武器だけで最後まで緊張感を保つのにはやや厳しかったのか、最後はかなりダレた感がいなめない。
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