この冬に計画されている建替えが始まる前に、阿佐ヶ谷住宅を見に行って来た。 50年前に計画された総戸数350戸の団地で前川國男設計事務所によって設計された2階建てのテラスハウスなども残っている日本住宅公団(現在の都市再生機構)による初期のものです。
一緒に行った友人は、アメリカ軍の持ち物だと思っていたというように、塀等で仕切られること無く十分な緑地空間に囲まれて、低層住居が配置される。
モザイク・タイルを切り出した各棟番号表示。
幾つかのテラスハウス南面に付随する一層部は、地盤沈下のせいなのか、かなりの部分でひび割れが目立つ。
建替えに向けて住民数もかなり減り、残された遊具が放置された広場をみると、ここが東京のど真ん中とは到底思えない。
小道を入ると、ふと現れる非常に豊かな中庭空間。
採光条件からの隣地棟間隔と南面配置から導き出された画一的な配置計画に、公共の緑地空間が低層住宅を囲うことで、みごとに空間に奥性が加味されている。
集まって住まう場所として、現在では考えることができないほどの良好な住環境。機能劣化した建築をうまく再生し、現代性に対応できるインフラを整備すれば、ディベロッパー先導の都市開発と異なる、公共空間をとりこんだ、新しい都市部での集住することの表情が東京に生み出すことができるのではないだろうか。
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