海賊たちに囲まれて、1000年前にアラビアンナイトが見た夕日。大西洋の彼方に落ちてゆく太陽は、新大陸での新しい一日の始まりとして生まれ変わる。
ヨーロッパ、中東そしてアフリカ大陸から様々な人、物、文化が行き来するカサブランカの港。千夜一夜の物語では語りつくせない、多くの宝がここを通過してきた。
高校生のときに、10年後の海外で、というよく分からない作文をさせられたことがあった。その時は、宝を求めて、国を超え、大陸を越え、港から港へと飛び回るアラビアンナイトへの憧れからか、ヨルダンかどこかの国にいる設定で作文をした気がする。
時は流れ、国は違えど、ついにアラビアの地で、かつての海賊におとずれたのと同じ沈みゆく太陽を目にすることになる。
手にした宝は何だったのか、それはきっとまた10年後に分かるのかもしれない。
千と一つの夜の後には、間違うことなく千と二つ目の朝がやってくる。その夜に語る物語の準備ができていれば、それでいいのかも知れない。
30になるのが、少し楽しみになった北アフリカの夜。
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