2013年7月18日木曜日

日吉大社(ひよしたいしゃ)紀元前91 ★★★★


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所在地  滋賀県大津市坂本
主祭神 西本宮:大己貴神,東本宮:大山咋神
社格  式内社,二十二社(下八社),旧官幣大社
本殿の様式 日吉造
別名 山王権現
創建   紀元前91年(伝承)
機能   寺社
文化財 西本宮本殿 1586,東本宮本殿 1595
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都の北東、鬼門の方向を守る比叡山。その比叡山の麓のうっそうとした森のなか、広大な神域に数多の神様の住まう場所として崇められてきた日吉大社。

建部大社同様この近江の地の大社として長い歴史を眺めてきた神社であるが、境内108社・境外108社と言われたその神域の中でも、上七社(山王七社)・中七社・下七社を合わせ山王二十一社と総称され崇拝を集めてきたと言う。

その中の上七社(山王七社)は西と東の2つの本宮と以下の5つの摂社から成りそれぞれ主祭神は以下の様になり通称日吉七社とも呼ばれる。

本宮
西本宮:大己貴神(大国主神に同じ)
東本宮:大山咋神

5摂社
牛尾宮:大山咋神荒魂 - 大山咋神の荒魂
樹下宮:鴨玉依姫命
三宮宮:鴨玉依姫命荒魂 - 鴨玉依姫命の荒魂
宇佐宮:田心姫神
白山宮:菊理姫命


元もとの呼び名は日枝の山(ひえのやま)、つまり後の比叡山の名前から「ひえ」神社だったが、平安時代から「エ」に縁起のよい「吉」を使うようになり、更に第二次世界大戦後は「ひよし」を正式の読みとしたという。


最澄は比叡山上に延暦寺を建立し比叡山の地主神である日吉大社を、天台宗・延暦寺の守護神として崇敬し、そのお陰で中国の天台宗の本山である天台山国清寺で祀られていた山王元弼真君にならって山王権現と呼ばれるようになったという。

そして延暦寺では、山王権現に対する信仰と天台宗の教えを結びつけて山王神道を説き、その結果天台宗が全国に広がる過程で、日吉社も全国に勧請・創建され、現在見られるように全国に約2,000社あると言われる日吉・日枝・山王神社の総本社となっている。

そういう訳で、山の上の延暦寺とは歴史の中で切っても切れない関係だったと言う訳で、いい時も悪いときも共有してきたわけである。

1571年、織田信長の「比叡山焼き討ち」によりこの日吉大社も同じく焼き払われ、現在見られる建造物は安土桃山時代以降に再建されたものという。しかし信長の死後に豊臣秀吉がこの神社の復興に尽力した。これは、秀吉の幼名を「日吉丸」といい、あだ名が「猿」であることから、猿を神の使いとする当社を特別な神社と崇めたためといわれ、境内のいたるところに秀吉から献上されたという橋が見られる。

そんな訳でイントロだけでも相当時間が必要になる長い長い歴史を持つ日吉神社は西本宮と東本宮を中心に400,000m²の境内を持つ。完全なる森の中。そんな境内はもちろんアスファルトなんかで舗装などされておらず、砂利道に車を進めると、係りのおばあさんに入苑協賛料という名目で大人300円を払うと、あれやこれやと説明をしてくれる。中でも秀吉から献上された石の橋は見所だからぜひじっくり歩いていって欲しいとのこと。

そんな訳で「これは時間がかかるな・・・」と、尋常ではない雰囲気にニヤニヤしてしまうのを止められずに早足で参道へ向かうが、少し歩いただけで「境内108社」というのを身体を持って実感する広さ。

如何にも山の中に入っていく、自然に包まれていく感じが得られるとても気持ちの良い参道。

そして辿りつくのは東本宮本殿。1595年建立で400年以上も前の建物。ちなみに国宝。楼門をくぐると本殿を中心に左右に摂社を構え、「神様がいっぱい居るな・・・」という雰囲気。

こんどは木漏れ日のなか西本宮へと向かうと、途中4月初旬に行われる山王祭で使われるという立派な神輿が展示されている。

さらに先に進むと、山の入って行く道が見えてくる。如何にもその先に何かあるという雰囲気を醸し出す神々しい光に照らされる道。「これを登ったら、今日は比叡山までいけなくなるな・・・」と思いながら道を進む。後で調べるとこの道は日吉大社の信仰の始まりとなった神体山八王子山の頂上付近に鎮座する牛尾神社と三宮神社の本殿・拝殿へと向かう道という。

暫くすると見えてくる西本宮本殿。1586年建立であるとされ、こちらもまた国宝に指定されている。楼門の中に入ると東同様「沢山居るよな・・・」と感じられる神域感。境内を流れる清らかな水の音が印象的な清らかな空気が印象的。

楼門を出て、道を下ると、先ほどのおばさんの前へと戻ってきて、そのまま参道脇を流れる大宮川のせせらぎを聞きながら参道を上がっていき、係りのおばあさんの話にも出た豊太閤秀吉の寄進による大宮川にかかる石橋・日吉三橋を眺める。大宮橋・走井橋・二宮橋は石ではあるが造りは木の橋にならったもので、確かに不思議な造形を見せている。

大宮川

そんな訳でやっと駐車場に戻ったころには、すっかり身体中汗だくだが、なんともすがすがしい気持ちを感じながら後ろに聳える比叡山を目指して車に乗り込むことにする。










































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