2018年11月9日金曜日

リヤド(Riyadh) / サウジアラビア(Saudi Arabia)


数年前に観た映画「王様のためのホログラム」

その時はサウジアラビアという国はなんとも適当でまったく違った価値観を持っている人たちで、その人たちと仕事をすることになったら大変だろうな・・・と思っていたが、まさかこんなに早くその時が来るとは思いもしていなかった。

中東の盟主・サウジアラビア。アラビア半島のほぼ全域を国土とし、イスラム教の発祥の地であり、イスラム教二大聖域であるメッカ(Makkah)とメディナ(Medina)を抱えるイスラムの中心国家。ちなみにメッカはムハンマド生誕の地であり、イスラム教の信仰の中心で、巡礼者が訪れる「カーバ神殿」があり、メディナはというと、ムハンマドの墓である「預言者のモスク」が中心に位置する。

世界2位の原油埋蔵量を誇り、石油や天然ガスなどの資源による収入によって国が運営され、税収に頼ることの無いレンティア国家の代表であるこのサウジ。以前訪れたUAEのドバイなどと違うのは、労働を担う出稼ぎ外国人と自国民の割合。サウジはレンティア国家にしては珍しいほど自国民の割合が高いという。

国の体制としては、サウード家を国王とする絶対君主制国家。一夫多妻制のために、必然的に王位継承権を持つ皇太子が多数存在することになる。またアラブ諸国の中でも最もイスラム教の戒律を厳しく守る国であり、そのためイスラム教が法律となり、コーランに基づくイスラム法として統治されているという。その為もあり、国として観光ビザを発行しておらず、「世界で最も入国の難しい国」とも呼ばれ、出張に先立っての事前調査をしようにも、なかなかネット上で情報が得られず、非常に苦難することになった。

そんな限られた情報でもまとめてみると、下記のように書かれているものが多いようである。

・空港や宗教施設でむやみに写真を撮ることは禁じられている
・禁じられているアルコールやポルノなどの持ち込みは厳禁。パソコンの中も調べられることもある
・入国審査は非常に時間がかかる
・男性でも肌の露出は避けるべきで、半袖・短パンは避ける
・家族以外の男性と女性の同席は禁じられており、むやみに現地の女性を写真に撮らない
・外国人であっても女性の場合はアバヤ(黒い伝統装束)を持ち込み、常に身に着けないといけない
・リヤドは特にイスラム教の戒律に厳しい土地柄である
・ムタワと呼ばれる宗教警察がモールなど市内の人が多いところでパトロールしている
・現地での両替は非常に難しい。できてもドルからのみのところが多い
・車の運転が非常に荒い

ちなみに通貨はサウジ・リヤルSR(SaudiRiyal)でおよそSR1=30円。

今回は進めているプロジェクトのプレゼンで、サウジ側の手配によって飛行機やホテルを手配してもらっていたりしていたので、よほどのことが無い限り大丈夫であろうと思っていたが、上記の事前情報とかなり違っている部分があったり、それでも外から行く者としてかなり驚くようなこともあったりと、この体験はきっと今後誰かの役に立つのではと思い立ち、久々にブログをまとめることにした。

「自己責任」が吹き荒れた2018年の秋。さらに「あの事件」によって、一躍世界から注目を浴びることになったサウジ。当たり前が違う場所において、安全を第一にしつつ、しっかりとした判断を行って、少しでも日本から遠いこの国の理解につながることを願う。

ガソリンが非常に安いサウジのガソリンスタンド

中心部のアル・バトハ地区にあるパキスタン・マーケット

アブドルアジーズ歴史センター

リヤドで最も高いキングダム センター 

旧市街地の中心にあるマスマク城

リヤド郊外の赤い砂漠

67,000人収容のキング・ファハド国際スタジアム

アラビア半島 Arabian Peninsula



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