2014年6月4日水曜日

選択肢に入ること

ファイドンのパーティーを後にして、夕食の会場であるレストランを目指して海岸沿いを歩いていると、前方から明らかに遠近法を無視した船が近づいてくる。

昨日イタリア人のスタッフが興奮気味に、「数日前に凄い大きな船を見たんだ」と言っていたのを思い出す。確かにこれはちょっと想像を超えているサイズである。甲板の上には旅行客がこっちを向いて手を振っている。「なんて俗世的なんだ・・・」と思いながらも、ついつい手を振り替えしてしまう自分達。

イタリア人に聞くと、こうしてカナル・グランデを行き交う大きなフェリーに規制をかける動きが起こっているという。かつての海洋都市といっても、流石にこれだけのサイズまで船が巨大化するとはその時代の誰もが想像しなかっただろうと思いながら、「これだけ資本主義に押されて海を行き交う船が増えれば、環境負荷や燃料消費も相当増加しているのでは?」とイタリア人に聞いてみると、既に規制が敷かれ、かなり限られた船しか運航していないという。

そういうところは流石イタリア・・・と思いながら、ヨーロッパでの仕事の機会を広げる為に様々な人を紹介してくれているフランス人がセッティングしてくれた今夜のディナーの会場が、やや入り組んだところにあるというので、水上タクシーで向かうことにする。

20分ほどで陸に上がり、到着したのはなかなか雰囲気のあるレストラン。既知のフランス人とその古くからの友人だというパリを拠点に活躍する都市計画事務所の3人のパートナー。互いに簡単な紹介を済ませ、どの様な仕事をしているのかを話し合う。

さっぱりした白ワインを味わいながら、こうして「何かの機会があれば、その選択肢に入っている」という状態を増やしていくことが、チャンスをつかむことの下地になっていくのだと再認識せずにいられない。







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