2013年7月20日土曜日

南紀勝浦温泉(なんきかつうらおんせん) ★★


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日本百名湯
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飛瀧神社の参拝を終えたのが17時過ぎ。

普通なら日の入りまでの2時間近くを有効利用するために、この近くで手ごろな聖域はないかとマップを探るところだが、和歌山縦断の山道運転が身体にきたのに加え、明日は最大の山場である和歌山から三重縦断という最長距離の行程への恐れも手伝い、今日くらいは早めに宿に入って温泉につかり疲れを癒し、温泉街の夜の街へと繰り出そうと勝浦温泉へと車を向かわせる。

和歌山県にある日本百名湯は南紀白浜温泉、南紀勝浦温泉、湯の峰温泉、龍神温泉の4つ。

日本百名湯

既に昼に龍神温泉に立ち寄っているので、この南紀勝浦温泉で一日に二つ目の百名湯となる。18時前にホテルに到着し、本日の走行距離を調べると朝の8265キロから始まって現在8497キロ。つまり230キロ以上の山道を走ったことになる。

「今日は疲れたな・・・」と感じながら、とりあえず一度大浴場で汗を流すことにする。外に広がる海を眺めながら暫くぼーっとしてお湯に身体を浸す。汗と一緒に少しだけ疲れも流れた気になって着替えを済ませレセプションで美味しい魚介を食べれるところを教えてもらう。

今日くらいは外でお酒が飲めるだろうということで、歩いて駅前の繁華街まで歩くこと15分。なんだか随分寂れてしまった雰囲気を醸し出す駅前繁華街が見えてくる。「大丈夫かな・・・」と思いながら、なかなか開いている店が無いのに心配になりながら、折角だからと漁港まで足を伸ばす。

現在進行形の生きた漁港らしく、小さな漁船がいくつもつけられている漁港の前には、公共の足湯が出来るスペースがつくられており、地元の小学生が足湯をしながら、ニンテンドーDSをやっていたりとなんだか良い風景をつくっている。

港町の雰囲気もつかめ、日も徐々に落ち始めてきたので、いい加減にお店を決めようと商店街の横道に。「良さげなお店が無いものか?」と探すと居酒屋らしきお店が向かい合っているので、外にでているメニューを眺め品定め。

迷っていると、外に電話に出てきていた女性のお客さんが「美味しいですよここ」と薦めてくれる。「それならば」ということで中に入るが既に席は一杯。厳しいかなと眺めていると、カウンターで一席だけスペースが空いており、たまたまその横は先ほどの女性客。

薦めてくれたお礼を言って、料理とお酒のお勧めを教えてもらいながら話しをしてみると、隣で既に顔を赤らめている旦那さんと一緒に高野山の麓の九度山から来ていると言う。今日は横の太地町でイルカと泳いできた帰りなんだという。

「イルカと泳げる?」と聞くと、なんでもその太地町は捕鯨の街ということもあり、入江のなかの生簀にイルカを放して子供達がイルカに触れ合えるという企画をやっているとのこと。

ドルフィン・べェイス

確か昔、知り合いに南房総で鯨の解体を見学できるところがあるから一緒に行かないかと誘われていたのを思い出す。後に調べると現在日本では、捕獲された鯨の鯨体処理場が許可されているのは以下の5箇所だけという。

網走市(北海道)
函館市(北海道)
石巻市鮎川浜(宮城県)
南房総市和田町(千葉県)
太地町(和歌山県)

「でもなんで、鯨の街にイルカ?」

と思わなくも無いが、気さくに地元情報を教えてくれ、何処に泊まっているかなんて話で盛り上がる。逆の席には同年代と思われる男性一人客。美味しそうな日本酒を飲んでいるので、「地元のお酒か?」と会話をしてみると、なんでも名古屋在住で休みを利用してきていると言う。どのお酒が美味しいかいろいろ教えてくれるので、それを頼んで会話を続ける。

今日訪れた寺社の話をすると、「あー、あそこの参道はいいですよね」なんてかなり詳しい。聞くと、休みを使っては電車でいろんなところに足を伸ばして寺社などを見ているという。「これは何かの引き寄せだな」と思いながら、先日の日枝神社での神木の話をすると、昨日の宿の主人同様「玉置神社の神木は凄い」と言う。

「いつか行かないと・・・」と思いながら、熊野本宮が想像していたよりも観光色が強くて驚いたというと、「熊野はねぇ、やっぱり王子とか古道を歩いて行かないと本当の意味は分からないですよね」と。流石。

他のお勧めを聞いてみると、「そういう場所が好きならば、瀧原宮は凄いですよ。伊勢神宮の五十鈴川と同じで、手水が川に下りていくスタイルなんですよ。いい参道ですよ。」と言うので、「既に明日の行程に入ってますよ」といい感じにお酒がすすむ。

そんなこんなしていると、隣のご夫婦が土曜の丑も近いことから鰻のひつまぶしを注文し、なんともいえない匂いが漂ってくる。「季節ですね」なんて言っていると、「少しどうですか?」と我々二人にお椀に取り分けてくれる。

「すいません」なんて言いながら、「こうしてふらっと地元の美味しい店に入って、地元の人にいろいろ教えてもらう。これこそが日本の旅行の醍醐味だな」なんてしみじみしながら更にお酒を注文する勝浦の夜。















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