2013年7月20日土曜日

ヴィジュアルの大切さ

最大級の期待を胸に足を運んだ熊野本宮大社。しかし修復の為に本殿の姿を目にすることは出来なかった。ただ外観を修復しているだけで、そこに居るはずの神様は確かにそこにいて、何かが変わった訳ではない。

ただし・・・

やはり長い参道を歩きながら心を整え、登りきった階段の先に待ち受けるのは荘厳な建築の姿を期待してしまう。大きな自然の中で、すくりと立つ人工性。人の手が入ることでこの場の力と可視化し、聖域と変えたその手の痕跡が心に何かを訴える。

そういう意味でやはり建築の外観のもつ意味ははかりしえない。
記念碑として、建物が建築として普遍性を持つためのヴィジュアルの役割。
その重要さを改めて思わされる。

毎日向き合う建築設計。同時に扱うのは機能、動線、構造、コスト、設備、環境、文化、そして外観。恣意性ではなく、より高位なものを表象すべきだといわれがちな現代の外観。

形態との戯れではなく、見えないものを見えるようにするための飽くなき意志である外観。そんなものがやはり必要なのだと確信して、現代を表しながら、現代を超えて残っていける、そんな外観を空想しながら床に就く。

0 件のコメント:

コメントを投稿