2012年9月11日火曜日

社長探し

先日のクローズアップ現代で、多くの日本企業が次世代の社長となる人材を探しているという。グローバル経済の波にのみこまれ、遠い国の関係ないような業種の事態が、自社の業績に影響を与えるかもしれないという、多様な関係性の中でしか存在しえないグローバル経済の中で、不測な事態を読み、臨機応変に対応できる人材。それが社内にいないという。

ある企業では、次世代の社長候補を育てる為に、人事のプロと呼ばれる人を招聘し、若い世代からリーダーの素質があるスタッフを選抜し、世界の様々な支社に勤務させ世界で通用する世界観を植え付け、さらに様々な業態を経験させることで、ジェネラリストとして大きな視点を養うという。

ほう、なるほど。

と思う反面、そんな温室のような環境で優しく守られて育てられるのは、この厳しい世界に対してあまりにも甘くないか?と思わずにいられない。

毎朝通っている語学学校では、沢山のスペイン人の姿を見かける。自国の経済が大変な状況で、自らの将来を生き抜くために、今何ができるのか、どう行動するのか、何を身につけるのが一番いいのか個人として必死に考えた結果ここにいるのだろうと想像する。

会社の経費で語学研修として1ー2年、十分な生活の保護を受けながら悠長に学ぶ人もいれば、世界の情勢を見ながら、自分のこれからの人生 キャリア チャンスを考え、どんな能力が必要か、自ら動いて身につけ、どんなチャンスを掴み、競争して戦って、傷ついて苦しんでも、必死生きていく。「大変だよ」といいながら、十分な給料が保証されている身と、自腹を切ってこれで結果を出さなければ生きていけないと思って過ごす時間の濃度の差は歴然。

バーで知り合ったフランス人は、精神科医の博士号を取得中に北京に移り、自分の好みのフランス料理レストランが無いから、それならと自らお店を開き、それと連動するように様々なイベントを企画しているという。その彼と一緒に席を囲むのは、ワイン会社を営む中国人で、ワイワイ話しながらもフランス料理にあうアイスワインがあるんだと売り込みをかける。

20人の部下をもつのと、20人の社員を抱えるのでは何が違うのか。それはその人の人生に責任を持つかどうかでしかない。その責任はその人の時間の過ごし方を必死にさせる。

生きるために必死に時間を過ごしてきた人材で無ければ、会社を生き残らせることができないのは当たり前で、必死に生きるだけの環境が日本にあったかどうか、これからあるのかどうか、それを考えることの方がよっぽど重要だと番組を見終わって思わずにいられない。

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