2016年2月7日日曜日

アマン東京(Aman Tokyo,大手町タワー) ケリー・ヒル,大成建設 2014 ★★★★★

--------------------------------------------------------
所在地  東京都千代田区大手町
設計   大成建設
竣工   2014
機能   オフィス、ホテル、商業施設
規模   地下6階,地上38階,塔屋3階(大手町タワー)
建築面積 5,880m2
延床面積 198,390m2(大手町タワー) 21,599m2(アマン東京)
構造   地下:RC造,一部SRC造,地上:S造
--------------------------------------------------------
最近オフィス内で特に参照する機会が多いこのプロジェクト。オープンしたての昨年も足を運んだが、やはり上層階に位置するロビーの空間は、まさに東京のクオリティを濃縮したかの様な空間で、素材、照明、音響にサービスと、目に見えるところ以外の全ての面に快適さが施された空間で、設計に携わるものとして多くのことを学び、そして日常の設計にフィードバックできる場所である。

世界中で展開する高級ホテルグループの「アマン」。とてもじゃないが宿泊できるような身分ではないが、「ロビーで軽い食事くらいなら・・・」と、妻と一緒に買い物がてらに寄っていくことに。東京駅から程近い場所に新しく建設された大手町タワーの一角に入っているのだが、徒歩にてアクセスするとなかなか入り口が分かりずらい。恐らく歩いてくるような客はいないのだろうと、勝手にハードルを上げていく。

非常にミニマルな一階部分のロビーをとおり、エレベーターで上層階のメインロビースペースへ。そこには数階分吹き抜けたアトリウムが広がっており、その内側はまるでランタンの様に表面に和紙をはったガラススクリーンで構成されており、しかも内部に照明を設置しシームレスな不思議な光を放っており、それは2005年にロンドンのテート・モダンで行われたオラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)のインスタレーションである「ウェザー・プロジェクト」を思い出させる。

Olafur Eliasson the Weather Project_ about the installation _ Tate

夜景を眺めることができる窓際のバーカウンターは座った際に客の目線とバー内部のスタッフの目線が合うように、そして客からの視線をできるだけ妨げないようにと、客席側が数段あげられて設計されており。そのために、アトリウムの中心部分から窓際に向かいには数段の階段を上がって、まるでキャットウォークの様に空間を横切る通路を通ってアクセスすることになる。こうした細かい気配りが設計に反映され、かつそれぞれに特徴のある空間を創り出している。

これだけ広く高く、そして石などの硬い素材をふんだんに使っているにも関わらず、向こうの席で話している客の話し声が気になるなどのことは発生せず、恐らく音響設計もコンサルタントが早い段階から入って吸音材ややわらかい素材などのバランスがしっかりと意図され設計されているのだろうと想像する。

水盤の高さ、その上に置かれた生け花の高さ、間接照明の配置、ソファーのレイアウト、何をとっても「うーむ」とうなるものばかり。いつかはぜひ客室にも宿泊して至極の空間を堪能してみたいものだと思いながら、家路へと向かうことにする。












0 件のコメント:

コメントを投稿