2016年2月16日火曜日

養老天命反転地 荒川修作 1995 ★★


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所在地  岐阜県養老町養老公園内
設計   荒川修作、マドリン・ギンズ
竣工   1995
機能   公園・アート
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木曽川とともに伊勢湾に流れ込む長良川、揖斐川(いびがわ)を併せて木曽三川(きそさんせん)と総称し、濃尾平野(のうびへいや)として広がる肥沃な平地を作り出す重要な河川であり、愛知県と岐阜県の県境を形成する境界線ともなっている。

愛知県の一宮市から木曽川を渡り岐阜県側の羽鳥市に立ち寄り、続いて木曽川、そして揖斐川を渡り向かうのは背後に濃尾平野の西に位置する養老山地が壁のようにそそり立ち、その一つである養老山(ようろうさん)の麓に位置する養老天命反転地(ようろうてんめいはんてんち)。

アメリカを拠点として活動した荒川修作がパートナーであったマドリン・ギンズとともに、構想を練った巨大なランドアートである。「養老の滝」でも知られるこの養老町(ようろうちょう)。豊かな自然を楽しめるように子供から大人まで遊ぶことができる広大な養老公園が整備されており、その公園内の一部が有料施設となっており、そこがこの養老天命反転地と呼ばれる地面がうねる様になっており、とても変わった建物のようなものが立っていたりして、身体感覚を呼び覚ますかのような場所となっている。ちなみに公園自体は無料であるが、この施設へは別途料金がかかり大人750円。なかなかのお値段である。

荒川修作は1936年生まれの名古屋市出身で、25歳時にすでにアメリカに渡っていたようである。日本国内でもいくつかその作品が残っており、この養老天命反転地が一番知名度が高いようであるが、建築作品として東京の三鷹市に作られた三鷹天命反転住宅もまた比較的良く知られている作品であろう。

1994年 「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(岡山、奈義町現代美術館)
1995年 「養老天命反転地」(岐阜県養老町)
2005年 「志段味循環型モデル住宅」(愛知県名古屋市)
2005年 「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」(東京都三鷹市)

広大な公園は丘になっていたり、建物内部の床もうねっていたり、人が通れるギリギリの幅の通路があったり、人と通りすがることがほとんどできない道があったりと、自分の身体、そして他人の身体と嫌がおうにも向き合うことになる。そして斜めの床に身体を支えるのがどれほど大変かなどを感じる大人と違って、あちこちではまるでアスレチックのように走り回る子供たちの姿。

平日ということもあったのだろうが、訪れているのは若いカップルや、若い女性二人組。恐らく何かの情報番組や雑誌でしり、面白そうだということでやってきたのだろうが、驚いたことにかなりの人が駅から徒歩でやってきている様子。調べてみると近くに養老線の養老駅があり、名古屋からだと桑名で乗り換えて利用することができるようである。

遠くに一際高く見える伊吹山に見守られながら、芝生の上でお弁当を広げて食べている若い大学生たちの姿を見ながら、穏やかな風景だなとなんだかほっこりしつつ、恐らく東海地方で生活を持つ人にとっては、文化的に興味を持って訪れる場所になっているのだろうと思いながらも、恐らく運営的には非常に難しいのだろうが、なんとかうまく残っていってほしいと思う場所である。










養老天命反転地記念館
養老天命反転地記念館
養老天命反転地記念館
極限で似るものの家


精緻の棟


楕円形のフィールド






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