2016年2月8日月曜日

パークハイアット東京(新宿パークタワー) 丹下健三(建物) ジョン・モーフォード(インテリア) 1994 ★★★


--------------------------------------------------------
所在地  東京都新宿区西新宿
設計   丹下健三(建物;新宿パークタワー)、ジョン・モーフォード(インテリア)
竣工   1994
機能   商業施設、ホテル
部屋数 178室
規模   地上52階・地下5、パークハイアット東京(39 - 52階)
建築面積 9,511m2
延床面積 264,140m2(新宿パークタワー)、
構造   S造
--------------------------------------------------------
あるプロジェクトのクライアントが、東京のこのホテルの内装の雰囲気が気に入っているというので、ならば久々に見に行かなければと足を運んだパークハイアット東京。言わずとしれた西新宿を代表する建築で、戦後を代表する大建築家・丹下健三の設計によるものである。

隣接する東京都庁舎も同様に丹下健三の手によるもので、そちらの竣工が1990年、そしてこのパークハイアット東京がはいる新宿パークタワーが遅れること4年の1994 念に竣工しており、これだけ巨大な建物なので設計期間にも数年単位で時間がかかっていることから、二つの建物が似たデザインをしているのも納得というところであろう。

様々なところで「ロボットみたいで、いつか変身するのでは?」と揶揄されることもある東京都庁舎に対して、こちらは東京ガスの所有する土地に、西新宿の新都心計画を見越して、「国際レベルのホテルを」ということで招致されたハイアットグループのホテル。「都会の隠れ家」というコンセプトを掲げ、客室数を177と限定することで高級感を維持する戦略で、入り口もスロープでアクセスする地上2階部分の簡易なロビーから専用エレベーターで41階に位置するロビーへとアクセスし、そこでチェックインを済ませて、奥まった場所に設置されている客室専用エレベーターによって各フロアにアクセスするように、徹底してプライバシーが守られている設計となっている。その為にすでに20年近い年月が経った今でもその人気は衰え知らずで、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション(Lost in Translation)」でも、ここを舞台として、ハリウッドの大物俳優が連泊する姿を描いていた。

低層部に入る建築関係のショールームが集まるOzoneには、たまに展覧会などを見に来るのだが、副都心計画があくまでも当初の予定通りは進まず、現在でもJRの新宿駅が人の流れの中心として君臨しているのは変わらず、そうなると新宿駅からここまで徒歩だと軽く20分近くかかり、かといってホテルが手配している周回バスを待つというのもまた時間のロスがあるしと、結局運動もかねてと歩いて向かう。

基本的に徒歩で来る人の動線はあまり重要視されてないのがこのような高級ホテルというものだろうか、南側から到着すると一体どこがどのレベルなのか、そしてロビーに上がるエレベーターがどこにあるのか、かなり混乱しながらやっとたどり着く。ロビー階には広々とした空間にパノラマに広がる東京の雑多な風景。それぞれのテーブルには、平日のこの時間にこのような高級ホテルのラウンジでお茶をするのがさも当たり前かのような優雅なマダム達。ソファで妻と一緒にケーキセットでも頼んで、せっかくだからと奥のライブラリーなどを見てまわり、少しだけも「ロスト・イン・トランスレーション」の雰囲気を味わうことにする。






ライブラリー

0 件のコメント:

コメントを投稿