2015年1月14日水曜日

助成金の功罪

日本の地方での仕事で設計をしていると、何かと「助成金」の話になることが多い。もちろん採算は合わないが、社会性が高く、将来性のある事業にはできるだけ政府が後押しをして援助を行ってでも事業を継続していけるようにする。

そういうコンセプトはもちろん正しいと思う。

しかし、世の多くの事業者は血の滲むような努力をし、削れるところは削り、自らの利益も圧縮してなんとか厳しい競争を生き抜こうと必死になっている。それでも競争原理に勝ち抜くことができなければ、どんなに真面目に生きていようが事業を閉じることを強いられる。

そんな厳しい現実を傍目に、「予算が執行されないから助成金が下りてこない。それではこちらは困ってしまう」と助成金ありきで運営をしている企業や団体が当たり前の様に存在している。

どのような助成金があるのかという情報に近く、どのような条件を整えれば申請ができ、そしてどのような手順で申請がおりやすくできるかのノウハウを持つ。

まっとうに法律にのっとってやっている。という顔をしながらも、行政に近くその地でネットワークを持つものに有利なシステムとなっているだけに、その地での利権として新しい流れや平等な市場競争を阻害する。

助成金がなければ、自立していない事業。助成金がなければ潰れてしまう企業。

そこに多くの税金を投入して、雇用を保ち、事業を存えさせるよりも、本来はしっかりと市場の中でも生き残ることができる努力を行っている企業に、さらに余裕のある展開を可能とするべく補助をする。本当に優秀な企業であれば、助成金が無くとも必ず頭を使い、手間を惜しまずに事業として周っていくはずである。

甘えを引き起こす助成金の功罪よりも、本当に意味のある先のつながる税金の使い方を期待するのと共に、ぜひとも行政には現在にどのようなタイプの助成金があり、それにどの企業が給付を受けているのか、ITリテラシーの低い市民にも一発で分かるような形で一般に公開するなどの努力をしてもらいたいものである。

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