2014年2月1日土曜日

島根県立図書館 菊竹清訓 1968 ★★

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所在地  島根県松江市中原町
設計   菊竹清訓
竣工   1968
機能   図書館
施工   竹中工務店
構造   地上2階、地下2階 鉄筋コンクリート造
面積   約5,865平米 (建面積約2,919平米)
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開館時間 
<11-2> 火-金曜日 9:00-18:00
<通年> 土・日・祝 9:00-17:00 
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島根県立美術館を基準として始まった現代建築巡り。20世紀の終わりに出来上がった先ほどの作品に比べてこちらは少々時間を遡って竣工は1965年。

敷地は松江城のほとりで、行政関係の施設の立ち並ぶ中心地でありながら、60年代に町が整備されただけあって、空間に余裕を持って建物が配置されている。

1965年というのは、設計者である菊竹清訓が40歳だったということで、1965年の徳雲寺納骨堂や東光園と、1970年前後の萩市民会館、久留米市民会館、島根県立武道館の中間に完成した作品となる。

平面を見てみるとお堀にそって敷地北東部分が雁行し、お堀に向けての眺望を1,2階の閲覧室から確保できるような構成になっている。壁式コンクリート造のモデュールによってリズムを強調され、それがアプローチ側のファサードに出てくると垂直に切断され、あたかも2層の洒落た集合住宅かな?と思ってしまう特徴的なのは外壁を露にする。

その二層のコンクリート造に被さるようにして3角形の鉄骨で組まれた屋根が架かってくる。雁行して作り出された3角形平面の一番真ん中に向かってエントランスが取られ、折屋根で組まれたトップサイドから光を取り込む構成となっている。

必然的に良好な眺望を持った両ウイングはパブリックな空間に当てられて、事務室や館長室などの常時使われる空間は南側に寄せられて日照を確保する。三角形上に回廊が2階の各機能を接合する。

その雁行を違うスケールで意識つけるかのように、打ちっぱなしのコンクリート壁はギザギザの型枠で打たれ、印影をつけているが、残念ながらその型枠が焼き杉で無い為に、コンクリートの表面まで木の木目がつくまでには至っていなく、パターンとして留まっている。

スケールも松江の市の規模にとてもマッチしているように感じられ、当日も多くの人が利用しており、松江の象徴である松江城のお堀沿いというロケーションとしい、地域図書館としてこの街の重要な公共施設として機能しているのが伝わってくる好感の持てる建築である。











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