2013年11月22日金曜日

つがい


「愛」に関するダンスを見たからではないだろうが、街を歩いていると行きかう人の中でやはり一番目に付くのはカップルの姿。冬が本格的に始まるとその印象は更に強くなるばかりである。

二人が結婚して夫婦だとしても、彼女彼氏という恋人の関係でも、やはり目に止まる中で一番多いパターンが男女二人という姿である。

この「つがい」という特徴は動物界では見られなく、哺乳類の一部だけに見られる現象だと昔何かの本で読んだことを思い出す。それはつまりは、人類だけに許された理性の成せる業だということだ。

ある一人の異性に対して好意を持ち、互いに同じ感情を共有し、ずっと一緒に寄り添っていく。天皇陛下の火葬が発表されたばかりであるが、長きに渡って寄り添われてきた皇后陛下が共に埋葬されるのは恐れ多いと発言されたばかりだが、現世から離れた後も現世で契った「つがい」の気持ちは続いていく。

それが宗教による刷り込みなのか、社会を安定される為に人類の歴史の中で必要として発明された制度なのかは緒論あるだろうが、それでもやはり人間特有の理性が在るゆえのシステムだといえる事は間違いない。

その他のどんな動物でも、DNAの中で最上位にプログラムされているのは種の保存。人間の「つがい」の様な一異性に対する感情を持ち続けないようにインプットされ、刹那的に生きる事が、種としての子孫繁栄に繋がっていく。

人類が理性を手にしたと同時に失った発情期というプログラムが発動した時に、近くにいる集団の中の異性と結ばれ、そこで次世代をつくっていくことが、種の保存のためには都合がいいのは間違いない。

そうして考えると、動物とは違う人類としての特権を一番の形で発現しているのがこの「つがい」の風景。それは人類が理性の生物であるという証左。動物的に生きる多くの人間ももちろんいるのだろうが、街を埋め尽くす多くのカップルの姿を見ると、それでもなんだか嬉しくなるのはそういうことなのだろうと理解して家路を急ぐ事にする。

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