2012年2月17日金曜日

Cultivate Meisters


新潟に燕三条という金属加工に特化した職人の街がある。和釘から洋食器を経由して、今はステンレスのキッチン用品から最先端のIT端末まで金属の磨きや金属プレス加工で名を馳せる。

磨き技術が凄すぎて、泡がつぶれなく発泡酒がビールになると言われたECOカップは広く知られているこの街の特産と言っていいだろう。


以前ひょんなことよりその中のいくつかの工場を経営する社長さん達とお付き合いさせていただくことがあり、それ以来ちょくちょく連絡を取り合わせて頂いていた。


「3月末には北京に移ります。」

という連絡を入れると、「何としてもそれまでに会いましょう」と、ただそれだけの為に大雪の中新潟から遥々東京まで足を運んでくれた。間を取り持ってくれたのは、工芸とデザインの豊かなる融合を目指す丸若屋の丸若氏。


渋く裏浅草でしっぽりと。なんて言っていたら、まさかの大雪で浅草寺以北はほぼ人気無し。お蔭で、周りを気にすることなく久々の再会を楽しみながら、日本のモノづくりの底チカラを感じさせてくれる相変わらずのエネルギッシュっぷりに嬉しくなる。

あの独特の新潟トーンで、「これ送別の品ですよ」とさりげなく渡してくれたのは、長谷川挽物製作所さんが手掛けるCultivate Meistersのぐい呑み。そうチタンの匙ではなくチタンのぐい呑み。

「冰を目いっぱいいれてもらって、そこにウイスキーを流し込んでもらえば、絶対に温くならないですよ」

と楽しそうに教えてくれる。


モノに真摯に向き合っている人は、人との出会いにも真摯に向き合っているんだと思わずにいられない特別な贈り物。本当にありがたい。

大陸に渡ってもこのぐい呑みで上手い酒を飲む時には、あの独特な新潟弁が思い出されるのだろうと一人思う。



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