2012年1月25日水曜日

審査


アートポリス推進賞の最終候補に残りましたので、現地審査の為の段取りをお願いします。

と、熊本県庁のアートポリス担当者より連絡が入る。現地審査と言っても、詳しい内容は教えてくれないので、一体どんな準備をすればいいのか分からない。とりあえずお施主さんと施行業者の担当者さんに連絡を入れて、まずは当日住宅を見せてもらうことを了承してもらい、できることを準備して前日より現地入り。

恐らく「若手」と言われる建築家で、いくら巨匠の事務所に勤めていたといっても、恐らくこのような審査は先生が立ち会っているはずだから、結構皆どんな風に審査が進むのかを知るのは難しいのでは?とネットを検索しながら思う。

例えばスリッパは審査員分+県の担当者分を用意すればいいのか?などとお施主さんから聞かれると、確かにそうだな・・・と思わずにいられない。

そんな訳で県の担当者さんに電話をして、聞いてみると、スリッパは用意してもらえれば助かりますが、必須ではないので気にしないで下さいとのこと。そう言われれば逆に気にするのが人間というもの。そうなると、お茶や茶菓子などはどうなるんだ・・・と前日からお施主さんと頭を悩ます。

しかしそんな心配がなんだったかと思うほど、審査と言うのは嵐の様に過ぎ去っていくものらしく、ほぼ時間通りに到着した数台の車が敷地の前に無造作に駐車され、青木淳氏を筆頭に東京から数名の有名建築家などで構成された審査員と担当者さんが降りてきて、さらっと挨拶をしたかと思うとすぐにそれぞれ好きな様に見始める。

お施主さんのご好意で実家より用意してもらったスリッパは当たり前の様に履かれて、それぞれが結構勝手知った感じで歩きまわって、更には気になった納まりなんかを詳しく聞いてくる。流石に事前に提出図面で構成は分かっているだろうが、これはいかんと、建物を一番理解してもらえるルートに沿って各空間を説明し、ぐるっと周囲も回ってもらう。

そんなこんなしているうちに、あっという間に30分が過ぎて、こちらが伝えたいと思っていたことなどはほとんど言えぬ間に「では次もありますので・・・」と嵐の様に過ぎ去っていく審査員達。お茶など飲む時間などは皆無。

審査員として住宅を見るのは皆さんお手の物で、言われなくても見るべきところは分かってるという感じなのだろうが、恐らくどの審査対象作品の建築家も産みの親としては子供の良いところがちゃんと伝わったか一抹の心配を感じずにはいられない夜を過ごすのだろうと想像する。







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