2011年8月6日土曜日

バンコク ★★

 

海外において鉄腕アトムは「アストロボーイ」と呼ばれている。日本人がキョトンとなることの一つだろう。ロンドンの大学院時代には、そんなアストロボーイというあだ名を持つタイ人の同級生がいた。

グランドツアーの目的地の一つ目は彼が事務所を構えるバンコクだと決めて、トランジットの一泊でなんとか捕まえようとフェイスブック。現地で電話をすることで落ち着きとりあえずスワンナプーム国際空港到着。暫く前なら政治的混乱から空港すら閉鎖されていたというのが信じられないくらいの平和な光景。

とりあえずタクシーでホテルに向かうのだが、基本的にバンコクの運転手は道を知らない。もちろんナビなど就いているはずも無く、地図を印刷しておいて大正解。人懐っこい笑顔で簡単に騙そうとしてくるので、世の中そんなに甘くはないと厳しい態度で対応。

腹ごしらえをして、懐かしのカオサン・ストリートの喧騒にまぎれ、そのまま夜の王宮まで足をのばす。超高層の屋上が屋外バーになっているという、恐らく今のバンコクの最先端スポットに行くために、王宮前からタクシーを拾うが、運転手が全く要領を得ない。その割りに恐ろしいほどのポジティブ・シンキングでガンガン車を飛ばす。

諦めて突然地下鉄の駅で降ろされそうになり、流石にそれはないだろうと、既に視界に捉えているタワーを目指そうと激励。しかしバイパスを降りれず更に遠回りに・・・堪忍の緒も切れ掛かるのでとにかくここで降ろしてくれと、妻と二人で興奮冷めやらぬ中歩き出す。

怒りに視界も狭くなっていたのが、気がつけば暗い高架下で、角の先に顔を出したのはバイオハザードの感染犬並みの形相をした野犬3匹。暗闇の中、犬歯から垂れる涎をハッキリと視認し、ヤバイと思った瞬間には既に数m先まで距離を詰められる。

「逃げろっ」と妻に叫んで横を見たときには、既に今まで見たことのないほどのダッシュで走り出している妻・・・。カメラを投げつけるフリをして、一瞬ひるんだ隙にこちらもダッシュ。

暫く走ると柵の様なものを越え、それ以降は追ってこないことから、番犬の様な役割をしている犬達なんだと納得。グランドツアー初日から狂犬病で即帰国なんてことにならずにとりあえずホッと胸をなでおろす。

あがった息を落ち着けながら、大きく迂回して目的のタワーへ。やっと一息つけるかと思いきや、目的地のバーのドレスコードで短パン・アウト。この怒りどこへぶつけてよいものか・・・と思いながらホテルに戻って着替えて再出発。そこで乗ったのはホテルで手配してもらったタクシーなのだが、案の定途中で行き方が分からなく・・・

高層ビルの屋上から見下ろすバンコクの夜景に、この闇はいろんなものを清濁併せ呑んで成り立っているんだと納得しながら冷えたモヒートを味わうバンコクの夜。

























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