2011年6月4日土曜日

熊本日帰り

早朝4;30。

携帯のアラームにてムクリと起きる。あまりに睡眠時間が短いために、ここがどこなのか、今が何時なのか、しばらく分からずぼーっとする。いかんいかん、飛行機に乗り遅れると気合を入れて、シャワーを浴びて、家を飛び出し、早朝のモノレールから見える、起き出す東京の街の表情を眺めながら、第一ターミナルの端っこで乗り込むスカイマーク第一便。

離陸前に眠りに落ち、着陸の衝撃で起きる。空気の質の違いを肌に感じながら、休み間も無くリムジンバスに乗り継ぎ、のんびりした風景を見ながら45分。敷地近くのバス停で降りて歩いて現場に。

一日がかりで現場で現場監督と打ち合わせ、職人さんたちにも声をかけて回り、夕方くらいから郷土料理の上手い店で、馴染みになった女将さん相手に「もうすぐ完成ですかー」なんて言われながら、ビールでも飲みながら、「畑のキャビア」でも食べて、ちょっと気分良くして空港行きのバスに揺られ、乗り込む最終のスカイマーク便。

しめて25000円程。結構いけるものだと思う。大阪出張よりもむしろ安くあがる。競争にさらされる事無く、楽市楽座なんて俗世の原理はなんのその、ひたすら保護に甘んじる某鉄道会社のせいで、どんどん空洞化が進み行き着く先は本当のガラパゴスなのかもしれないが、体力さえあれば結構いけると自信を持つ。

朝一の便で行くのと、その次の便でちょっと朝ゆっくりして行くのでは、それこそ数千円の違い。

出張経費は最終的にはお施主さんが支払っていただくのだが、数千円、数百円をどう削るかという、とてもシビアなレベルで現場監督さんと膝を付き合わせ日々設計を進めている身としては、少し位朝大変でも、その積み重ねで一本でも素敵なモミジの植栽が外構に入るなら、喜んでそうする。本当にそう思う。

建築なんてヤクザな世界に身を投じ、いわゆる有名企業で働く経験を持たないと、「会社の経費でおとすから」とか、「お客さん持ちだから」なんていう発想には触れることも無く、いわや事務所の死活問題。

これ一つ売れれば、このブロックを一つ積めば、そんな単純経済ではいかないが、少なくともこのエクセルの表を一枚作る事で、この図面を一枚描くことが、いったい会社が提供する業務のどの部分に位置をして、それに対してお客さんがどれくらいの対価を払ってくれるのか?自分だったらどれくらい払うのか?適正価格を頭に入れて、また自らの労働価値を頭に入れて、それに対して報酬がどのように払われるのか、そんなセンスを持ち合わせていない従業員がいる会社は、これからの時代を乗り切るのは厳しくなっていくのだろうと思いながら、モノレールから眠りに入る東京の姿を眺める。


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