2007年12月2日日曜日

未遂


隣人とは変わった人がすんでるものである。お隣さんはかなりの大人数で住んでらっしゃるようだ。アジア系の奥さんだと思っていた若い女性と昼間ばったり顔をあわす機会があった。夏っぽいセーラー服に鞄。ん?と思ったがさすがに突っ込むわけにはいかない。

そんなことがあった夜にゴミだしでもしようかと思い立ちサンダルで部屋の外へ。あ、と思うのもつかの間、後ろでバタンとドアが閉まる。嫌な予感は的中するもので、内鍵を閉めてしまっていて、入れない。鍵はもちろん、財布すらもってない、ほぼ肌着の状態。これはまずいと思い、下階の管理人室へ。しかし夜の九時にはさすがに帰ってるようでなんの反応もない。昼間の事情があるので、お隣さんに声もかけづらくさらに焦る。さぁ、どうする。

自宅兼オフィスということもあり、広報をやってもらっている親友が恵比寿あたりで飲んでいるという予定だというのを思い出し、早速電話。ワインバーでお食事だと聞いていたので、申し訳なく電話するが出ない。しょうがないので、一緒にいると思われる別の友達に電話。と、繋がり盛り上がっている様子が電話口から聞き取れさらに申し訳なくなってくる。

で、こうこうしかじかでと事情を説明するが、さすがに出てくる訳には行かないと。来てくれれば鍵を渡せるとのこと。しかしお金がない。そこで今度は上階に住んでいる隣人にお金を借りようと思い立つ。電話を鳴らすとドアの向こうでなっているのは聞こえるが出る様子はない。これは取り込み中かと思いながらも背に腹は代えられず、チャイムを鳴らすと、頭を冷やしながら出てきてくれた。熱を出して、寝込んでいたところだと。ほんとに申し訳ないが、こうこうでとお金を少々借りられないかと申し出ると、快く承諾してくれ、さらにスリッパなので、サンダルも借りられれば助かりますというので、サンダルも借りる。

靴下をスリッパの中に押し込み、サンダルに履き替えて、ほぼ肌着なので、電車に乗るわけにも行かずしぶしぶタクシーで恵比寿に。地図を見れない女とはこういうことなんだというような、お店への道順を教えられ、なんとかたどり着くと、一緒に飲んでるのも共通の知り合いだというので、少し飲んでいけばということに。こんなカッコなんでという言い訳は通用する相手ではなく、しゃれたワインバーに風呂上りの肌着状態、プラスサンダルで参加。ワインを一本ほどあけた段階で、あることを思い出す。

ドアの外の窓を開放し、その前に靴下の入ったサンダルを外向きにおいたままで出てきたこと。これを何も知らずに見かけたら速攻警察に通報する、かなりやばいセッティングになっているわけだ。そんなわけで、財布がないので、すっかりご馳走になり、即刻家に戻る。サンダルはそのまま、平和な風景。

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