2016年10月27日木曜日

「ミュージアム」 巴亮介 2013-2014 ★★★★★


「人気コミック実写化」として2016年秋の話題になっており、「ここ数年の面白い漫画とは何か?」と調べた際にもその名前が挙がってきていたので、「それならば」と手にしたみたが、「なるほど」となっとくしてしまうほどの衝撃作。

なかなかグロテスクなその内容から、恐らく一般的にうけているのかどうかは分からないが、物語の展開や人物像の作りこみは相当なものでありつつ、漫画だからこそできる常軌を逸した表現も助けて、もの凄いスピード感で読みきってしまう作品であり、3巻完結という潔さも非常に好感が持てる作品である。

「新世界より」「悪の教典」が描く様な、サイコパスという常識がまったく通じない異物が世界を壊していく中で起こるある種のカタルシス。ネットの登場によって欲望が拡張され、そして見えにくくなった現代だからこそ逆に不思議な現実味を帯びてしまうそんな世界を描いた見事な作品であろう。

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